ダグ・フルーティ

ダグ・フルーティ：不屈のQB、伝説を築く

ダグ・フルーティ（Douglas Richard Flutie、1962年10月23日生まれ）は、アメリカンフットボール界において、その卓越した才能と不屈の精神で記憶される元クォーターバックです。メリーランド州マンチェスター出身の彼は、USFL、NFL、CFLという3つの異なるリーグで、実に21年もの間プレーし続けました。

早い時期

ボストンカレッジ時代には、カレッジフットボール界で輝かしい足跡を残しました。1984年には、その年の最優秀選手に贈られるハイズマン賞を受賞。特に、マイアミ大学との試合で見せた、試合終了間際の逆転パス「ヘイル・フルーティ」は、カレッジフットボール史に残る伝説的なプレーとして、今もなお語り継がれています。

プロキャリアの幕開け：USFL、そしてNFLへ

1985年のNFLドラフトでは、ハイズマン賞受賞者としては異例の、11巡目全体285番目という下位指名でロサンゼルス・ラムズに入団しました。しかし、彼はその前に契約していたUSFLのニュージャージー・ジェネラルズ（当時のオーナーはドナルド・トランプ）に入団。USFLで1シーズンプレーした後、リーグの倒産により、1986年にシカゴ・ベアーズと契約し、NFLの舞台へと足を踏み入れました。ベアーズとニューイングランド・ペイトリオッツでプレーしましたが、先発QBとして定着するには至りませんでした。

CFLでの成功

NFLでの苦戦を強いられたフルーティは、1990年にカナディアン・フットボール・リーグ（CFL）へと活躍の場を移します。CFLは、NFLよりもフィールドが広く、より機動力が求められるリーグであり、フルーティの才能はそこで開花しました。彼はCFLで3度のグレイ・カップ制覇に貢献し、6度のリーグ最優秀選手に選出されるなど、CFL史上最も偉大な選手の一人としてその名を刻みました。

NFLへの復帰、そして引退

1998年、フルーティはバッファロー・ビルズと契約し、NFLに復帰。チームをプレイオフに導く活躍を見せ、カムバック賞を受賞しました。2001年から2004年まではサンディエゴ・チャージャーズに所属し、2005年にはニューイングランド・ペイトリオッツで現役を引退。最終プレーで64年ぶりのドロップキックによるフィールドゴールを成功させ、大きな話題となりました。

引退後

引退後は、カレッジフットボールの解説者として活躍。2007年にはカレッジフットボール殿堂、2008年にはカナディアンフットボール殿堂入りを果たしました。

ダグ・フルーティは、その小柄な体格からは想像もできないほどの運動能力と、決して諦めない強い精神力で、多くの人々に感動を与えました。彼のキャリアは、アメリカンフットボール史における不朽の物語として、語り継がれることでしょう。

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