ダットサン・キャブライト

キャブライト（CABLIGHT）

キャブライトは、かつて日産自動車によって製造され、ダットサンブランドで販売されていた小型トラックおよびバンです。1958年に初代が登場し、その後1970年代にかけて数回のモデルチェンジを経て販売されました。以下では、キャブライトの歴史と特徴を詳しく見ていきます。

1. 初代 A20型（1958年 - 1961年）

キャブライトの初代モデルは1958年8月に登場しました。このモデルは、当時の小型トラック市場で成功を収めていたトヨタのSKB/トヨエースに影響を受けたもので、ボンネット型のダットサントラック120型のシャシやエンジンを流用し、セミ・キャブオーバー型のキャビンとボンネット型車よりもやや長い荷台を装備していました。

しかし、エンジンの排気量は860ccと小さく、トヨエースの1,000ccに比べると性能や耐久性で劣っていたため、市場での反響はあまりよくありませんでした。また、販売実績も振るわず、シートがパイプ椅子のような簡素なものであったり、燃料計がないなど、機能面でも簡易的でした。これにより、より高級でパワフルな220型ダットサントラックとは明確に差別化されていました。

2. 2代目 A120/122型（1961年 - 1964年）

1961年に登場した2代目は、モデルチェンジとともに外観やエンジンに変化がもたらされました。1962年にはマイナーチェンジが行われ、これまでの860ccエンジンから1,046ccのOHVヘッドを使用したD10型エンジンに変更され、これによりエンジン性能が改善されました。ついにA122型という新しい型式が誕生しました。

3. 3代目 A220/221型（1964年 - 1968年）

1964年3月にリリースされた3代目では、国内車として初めてリアドアにスライドドアの機構が採用されました。この変更により、荷物の積み下ろしがさらに便利になりました。また、1966年のマイナーチェンジでは、エンジンをD10型から1,136ccのD11型に変更し、A221型へと進化しました。

4. 最終モデルとキャブスターへの改名（1968年）

1968年3月には、ついにキャブスターという新たな名称に変更され、新しいモデルとしてのスタートを切りました。これにより、キャブライトという名称は歴史の一部となりましたが、キャブスターとしてさらに多くのユーザーに親しまれるようになりました。

結論

キャブライトは、日産が手掛けた小型トラックの中でも、実用性と経済性を追求したモデルでした。競合他社に対する追随や、さまざまなモデルチェンジを経ることで、次第にその姿を変えていったことで、多様なニーズに応えるクルマとしての役割を果たしました。今ではその存在は懐かしく思い出される一台となっています。

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