ダツィ料理

ダツィ料理

ダツィ料理（ダツィりょうり）は、ブータンの料理の中で特にチーズを使用した料理の総称です。ダツィとはチーズのことで、これを使った料理にはエマダツィやケワダツィなど多彩なバリエーションがあります。一般的には、ブータン赤米と一緒に食されることが多く、ダチ料理とも呼ばれています。

エマダツィ

エマダツィは、ブータンの代表的な料理の一つで、唐辛子（エマ）とチーズ（ダツィ）を煮込んだシチューに似た料理です。この料理は、ご飯にかけたり、ご飯を入れて食べたりします。ブータンでは、エマダツィは国民食とも言えるほど広く親しまれており、中には1日3食この料理を食べるブータン人もいるほどです。

作り方は、まず唐辛子を火にかけ、少量の水とチーズを加えた後、トマトやニンニクなど好みに応じた香味料を加え、さらに煮込みます。タマネギなども具材入りとして使われることがあります。

ブータンにおいて、唐辛子は香辛料ではなく、野菜として扱われることが特徴です。このように、唐辛子が食されるようになったのは、歴史的にその前に山椒などが使われていました。エマダツィを含むブータン料理の辛さは、しばしば「世界一辛い料理」と評されることがありますが、外国人向けのホテルでは辛みを抑えたバージョンも用意されています。

ケワダツィ

ケワダツィは、芋（特にジャガイモ）をチーズと一緒に煮込んだ料理です。「ケワ」はゾンカ語で芋を意味し、エマダツィに比べて辛さが控えめであるため、辛いものが苦手な方でも楽しめる一品です。

ブータンの国土はあまり肥沃ではありませんが、そうした土地に適したジャガイモが伝統的に栽培されてきたことが、ケワダツィのような料理が生まれた理由の一つとも言えます。

ブータンのダツィ料理は、シンプルながら味わい深いものが多く、地域の食文化を反映したものです。乳製品を基にした料理は、ブータンの食卓には欠かせない存在です。これらの料理は、旅行者にとってもブータンの風味を体験できる絶好の機会となるでしょう。ブータンの料理は、訪れる人々にその土地の特性や文化を直接感じさせる一品一品の魅力を持っています。

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