ダニエル・プラニッチ

ダニエル・プラニッチ：多才な左利きの元クロアチア代表

ダニエル・プラニッチ（Danijel Pranjić, 1981年12月2日 - ）は、旧ユーゴスラビア（現クロアチア）出身の元プロサッカー選手であり、現在はサッカー指導者として活動しています。現役時代は主にMF（左サイドハーフ）やDF（左サイドバック）を主戦場とし、左サイドであれば複数のポジションをこなせるユーティリティ性を持っていました。また、フリーキックを得意としていました。

クラブキャリア

プラニッチは、キャリア初期をNK NAŠK、NKパプク・オラホヴィツァ、NKベリシュチェ、NKオシエクといったクラブで過ごし、2004年にクロアチア国内の強豪であるNKディナモ・ザグレブへ移籍しました。その後、2005年7月1日にオランダのSCヘーレンフェーンへ約50万ユーロで移籍し、海外での挑戦をスタートさせました。

ヘーレンフェーンでは、2008-09シーズンに序盤から好調を維持し、リーグ戦で16得点を記録する活躍を見せました。KNVBカップ（オランダ国内カップ）ではハットトリックを達成し、AFCアヤックスやPSVアイントホーフェンといった強豪クラブを相手に得点を挙げるなど、重要な局面でその得点力を発揮しました。また、FCフォレンダムとのKNVBカップ決勝では勝利し、タイトルを獲得しました。

2009年6月4日、プラニッチは移籍金770万ユーロでドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンへ移籍しました。当初はリヴァプールFCへの移籍も噂されましたが、最終的にバイエルンが獲得に成功しました。しかし、ヘーレンフェーン側の要求する移籍金とバイエルンの提示額に差が生じたため、プラニッチ自身が差額の一部を負担するという異例の形で移籍が実現しました。

バイエルンでは、TSG1899ホッフェンハイムとの開幕戦で左サイドバックとしてデビューし、イヴィツァ・オリッチの先制点をアシストしました。また、VfLボーフム戦ではブンデスリーガ初得点を記録しました。2009-10シーズンは、左サイドバック、左サイドハーフ、センターハーフなど複数のポジションでプレーし、UEFAチャンピオンズリーグでは準優勝を経験しました。しかし、期待されたほどの活躍は見せられず、3年間の在籍期間でレギュラーポジションを獲得するには至りませんでした。

2012年7月13日、プラニッチは契約満了に伴い、ポルトガルのスポルティングCPへフリーで移籍しました。その後、2013年9月2日にはギリシャのパナシナイコスFCへ移籍しました。2016-17シーズンは1.SNL（スロベニア1部リーグ）のFCコペルでプレーしましたが、クラブの財政問題により降格となり、退団しました。2017年7月21日、キプロスのアノルトシス・ファマグスタに加入し、ここではクロアチア代表やパナシナイコスでチームメイトであったゴルドン・シルデンフェルトと再会しました。

代表キャリア

プラニッチは、2004年11月16日のアイルランド戦でクロアチア代表デビューを果たしました。EURO2008では、エドゥアルドの負傷離脱を受けて、本来トップ下のポジションを務めていたにもかかわらず、スラヴェン・ビリッチ監督によって左サイドバックにコンバートされました。大会を通して全4試合に先発出場し、ダリヨ・スルナやイヴァン・クラスニッチの得点をアシストするなど、チームのグループリーグ突破に貢献しました。

しかし、2010 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選以降は、イヴァン・ストリニッチにポジションを奪われるようになります。2011年には代表追放処分を受けましたが、後に復帰し、EURO2012のメンバーにも選出されました。その後も代表を離れたり復帰したりと、波瀾万丈な代表キャリアを送りました。

2015年3月28日のEURO2016予選、ノルウェー戦で代表初得点を挙げました。

タイトル

ヘーレンフェーン
KNVBカップ (2008-09)

バイエルン・ミュンヘン
ブンデスリーガ (2009-10)
DFBポカール (2009-10)
DFLスーパーカップ (2010)

パナシナイコス
* キペロ・エラーダス（ギリシャカップ）(2014)

ダニエル・プラニッチは、その多才さと左足から繰り出される正確なキックで、多くのクラブや代表チームで貢献した選手として記憶されています。

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