ダネルMGL

ダネルMGL（Multi Grenade Launcher）は、南アフリカのアームスコー社によって開発された擲弾発射器です。この装置は回転式のチャンバーを持ち、連続してグレネード弾を発射できる能力を備えています。MGLは特に軍用として設計されており、NATO（北大西洋条約機構）で使用される40x46mmのグレネード弾を使うため、強力な殺傷力があります。

この武器は、イギリスのエクスカリバーMk.IIと同様に回転式弾倉を採用しています。Mk.IIは主に非致死性のグレネード弾を使用し、暴動鎮圧などの非致死的な用途に特化していますが、ダネルMGLは軍事用途向けに造られているため、致死性の弾薬が使用されます。MGLはダブルアクション機構を採用しており、引き金を引くだけで自動的に次のグレネードを発射します。

この擲弾発射器には、弾倉を開くためのシンプルなメカニズムも設計されています。弾倉の中央に設置された軸を前方に引くことで、フレームの上部を支点にして上方向にスイングさせ、弾倉とバレルを開くことができます。また、上部には高仰角に設定できる小型の光学サイトが搭載されており、精密な狙撃が可能になっています。

ダネルMGLは、対人榴弾や対戦車榴弾、自衛のために使用される警察向けの非致死性グレネード（ゴム弾、催涙弾、発煙弾など）を製造しています。南アフリカの軍隊および警察は、この武器を正式に採用しており、他の数多くの国でも使用されています。例えば、クロアチアでは「RGB-6」という名称で採用されています。

近年、アメリカ軍も改良型のMGL-140を採用しました。このモデルは弾倉が少し長く、M4[[カービン]]に似たスライド式のストックやピカティニー・レールが装備されています。このMGL-140の重量は6000g、全長は661mm（ストック未使用時）から787mmに延長されています。また、アメリカ海兵隊は銃身を短くしたモデルをM32A1として、特別作戦群ではMk 14 Mod 0として使用しています。

MGLの派生型においては、トルコではMKE社が「40mm GRENADE LAUNCHER / ROVELVER」として製造しており、セルビアでも利用されています。採用国としては、ブラジル、チリ、コロンビア、クロアチア、デンマーク、インド、マレーシア、メキシコ、ペルー、台湾、南アフリカ、スリランカ、アメリカなどが名を連ねています。

また、MGLは映画やゲームなどポピュラー文化にも頻繁に登場します。映画『アイアンマン2』、『エクスペンダブルズ2』、『トランスフォーマー』シリーズなどで取り上げられ、様々なキャラクターに使用されています。さらに、ゲームタイトルでも見かけることができ、プレイヤーに迫力ある戦闘を提供しています。

このように、ダネルMGLは軍事・警察用の擲弾発射器として非常に高い評価を得ており、世界中で多くの国がこの武器を採用しているのがわかります。その性能と多様な用途から、未来の戦場でも重要な役割を果たすことでしょう。

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