ダビデ・サントン

ダビデ・サントン：多才なサイドバックの軌跡

ダビデ・サントン（Davide Santon）は、1991年1月2日にイタリアのポルトマッジョーレで生まれた元プロサッカー選手です。主にディフェンダーとして、左右両サイドでプレーしました。

クラブでのキャリア

インテルでの飛躍

サントンは10歳でラヴェンナ・カルチョの下部組織に入団し、その才能は早くからインテル・ミラノの目に留まりました。中学卒業と同時にインテルへ移籍し、当初はウイングでしたが、サイドバックにコンバートされました。

2009年1月21日、コッパ・イタリアのASローマ戦でトップチームデビューを飾り、その数日後にはセリエAデビューも果たしました。当時のインテルには、右サイドバックに絶対的な存在であるマイコンがいたため、サントンは左サイドバックとして出場しました。同年2月には、UEFAチャンピオンズリーグでマンチェスター・ユナイテッドFCと対戦し、クリスティアーノ・ロナウドを封じ込める活躍を見せ、ジョゼ・モウリーニョ監督の信頼を得て、デビューシーズンながら16試合に出場し、チームのセリエA4連覇に貢献しました。

しかし、2009-10シーズン以降は膝の怪我に苦しみ、コンディションが整わない時期が続きました。2010-11シーズンもパフォーマンスが低迷し、冬の移籍市場でACチェゼーナにレンタル移籍することになりました。この移籍は、当時インテルに加入した長友佑都との入れ替わりという形でも話題になりました。

ニューカッスルでの挑戦

2011年8月には、プレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドFCへ完全移籍を果たしました。10月に移籍後初出場を果たすと、左サイドバックのレギュラーとして活躍し、3シーズンに渡りチームに貢献しました。

インテルへの復帰

2015年2月、サントンは古巣インテルに買い取りオプション付きのレンタル移籍で復帰しました。シーズン終了後には買い取りで正式にインテルの一員となりました。しかし、2016-17シーズンにはクリスティアン・アンサルディの加入によりポジション争いが激化し、出場機会が減少しました。2017-18シーズンには、長友佑都やダウベルトとの競争を経て、ルチアーノ・スパレッティ監督の信頼を掴み、出場機会を増やしましたが、新加入のジョアン・カンセロの台頭により、再びポジションを失いました。

ローマでのキャリア終盤

2018年6月26日、ASローマへの移籍が発表されました。移籍金は950万ユーロで、4年契約でした。しかし、2021-22シーズン終了後に契約満了でローマを退団し、フリーとなりました。怪我の影響もあり、2022年9月9日に現役引退を発表しました。

代表でのキャリア

サントンは年代別のイタリア代表を経験した後、2009年6月6日に18歳でA代表デビューを果たしました。マルチェロ・リッピ監督により、同年のFIFAコンフェデレーションズカップのメンバーにも選ばれましたが、出場機会はありませんでした。2011年以降は代表から遠ざかっていましたが、2012年にチェーザレ・プランデッリ監督によって久しぶりに招集されました。

プレースタイルと人物像

サントンは、左右両サイドでプレーできるサイドバックで、特に若手時代には、ACミランのレジェンド、パオロ・マルディーニと比較されることもありました。しかし、プレーの詰めが甘いという課題も指摘されていました。

チェゼーナへのレンタル移籍の際には、「自分自身に失望している」とコメントし、チェゼーナで成長してインテルへ復帰することを誓いました。また、U-21イタリア代表監督のチロ・フェラーラは、サントンへの期待と信頼を示すために、彼をU-21代表のキャプテンに任命しました。

タイトル

インテル

セリエA：2回 (2008-09, 2009-10)
UEFAチャンピオンズリーグ：1回 (2009-10)
コッパ・イタリア：1回 (2009-10)
スーペルコッパ・イタリアーナ：1回 (2010)
* FIFAクラブワールドカップ：1回 (2010)

ダビデ・サントンは、その多才さと将来性で多くの期待を集めましたが、怪我やポジション争いにより、思うような活躍ができなかった時期もありました。しかし、そのキャリアを通じて、多くのクラブで経験を積み、イタリアサッカー界にその名を刻みました。

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