ダフィー・ウォーズ

ダフィー・ウォーズ：24と1/2世紀の宇宙冒険

1953年、ワーナー・ブラザースのアニメーション短編シリーズ『メリー・メロディーズ』から誕生した『ダフィー・ウォーズ』（原題：Duck Dodgers in the 24½th Century）は、SFコメディの金字塔として、現在も高い評価を受けています。アメリカ国立フィルム登録簿に登録されているほか、『The 50 Greatest Cartoons』において4位に選出されるなど、その高い芸術性とエンターテイメント性は広く認められています。

物語の舞台：イリジウム危機と惑星X

舞台は、24と1/2世紀の未来。地球はシェービングクリームの原料であるイリジウムの深刻な不足に直面し、一大危機に瀕していました。この危機を救うべく、勇猛果敢な宇宙戦士、ダフィー・ダック（ダック・ドジャースとして登場）が立ち上がります。

ダフィーは、若き宇宙飛行士ポーキー・ピッグを助手として、イリジウムの唯一の産地である惑星Xへと旅立ちます。ポーキーの助言（惑星をアルファベット順にたどればXにたどり着くという、少々杜撰な作戦）を頼りに、二人は惑星Xへと到着。早速、惑星Xを地球のものだと宣言します。

しかし、そこに火星人のマービン・ザ・マーシャンがロケットで到着し、惑星Xを火星のものだと主張します。こうして、惑星Xの支配権を巡り、ダフィーとマービンによる壮絶（？）な宇宙戦争が勃発するのです。

スタッフとキャスト

本作は、数々の名作アニメーションを世に送り出したチャールズ・M・ジョーンズ監督によって制作されました。そのほか、エディ・セルツァー（製作）、カール・スターリング（音楽）、ロイド・ボーギャン、ケン・ハリス、ベン・ウァーシャム（作画）、マイケル・マルティーズ（脚本）、モーリス・ノーブル（レイアウト）、フィリップ・デ・ガード（背景画）、ハリー・ラブ（アニメ効果）など、多くの才能が結集しています。

ダフィー・ダック、ポーキー・ピッグ、マービン・ザ・マーシャンら、お馴染みのルーニー・テューンズのキャラクターたちが、個性的な演技で物語を盛り上げます。

関連作品と継承

『ダフィー・ウォーズ』は、その後のシリーズ作品にも大きな影響を与えました。

ダフィー・ウォーズ2（Duck Dodgers and the Return of the 24 ½th Century）： ゴッサマーが登場する決定的な続編。
宇宙刑事ポーキー&ダフィー（Rocket Squad）： 未来を舞台にした作品で、ダフィーとポーキーの関係性が対等に描かれています。
* スーパー・ダック（Superior Duck）： スーパーマンのパロディ作品。1956年の『ステューパー・ダック』と同様の要素が取り入れられています。

これらの作品も、チャールズ・M・ジョーンズ監督が手がけたものです。また、本作を原作とするテレビアニメ『ダック・ドジャース』も制作され、キャラクターたちが現代によみがえりました。

日本での放送と収録

日本では、1989年から1992年にかけてテレビ東京で放送された『バッグス・バニーのブンブンランド』で、旧吹き替え版が放映されました。現在ではカートゥーン・ネットワークの『バッグス・バニー ショー』でも視聴可能です。DVDやVHSなど、様々な媒体で視聴できますが、吹き替え版と字幕版が存在します。

まとめ

『ダフィー・ウォーズ』は、ユーモラスなストーリー、魅力的なキャラクター、そして緻密なアニメーション技術が融合した、まさに傑作アニメーションです。SFコメディとしてだけでなく、アニメーションの歴史においても重要な作品として、その名声を確固たるものとしています。 その影響は、後続作品やテレビアニメにも色濃く反映されており、今日でも多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索