ダフ屋

ダフ屋とは

ダフ屋（ダフや）は、乗車券や入場券などのチケット類を転売目的で入手し、定価よりも遥かに高い価格で販売する者を指します。また、彼らの行為は「ダフ屋行為」とも呼ばれ、不正にチケットを売りさばくことが問題視されています。「だふ」という名称は、チケットを意味する「ふだ」の倒語から由来しています。

増加する転売トラブル

最近、コンサートやスポーツイベントなどのチケットがSNSを通じて大量に転売される事例が増え、これに伴うトラブルも急増しています。消費者からは、代金を振り込んだにもかかわらず、実際にチケットが手元に届かないという相談が全国の消費生活センターに寄せられています。国民生活センターの調査によれば、2018年度にはチケット転売に関する相談件数が2,076件に上り、前年の約2.4倍に達しています。

特に個人間の取引の場合、売主と連絡が途絶えてしまうと被害の救済が極めて難しくなります。

日本における法規制

日本では、チケットを転売目的で購入すること、または公衆に販売することは基本的に違法とされています。47都道府県中41の県で、迷惑防止条例に基づきダフ屋行為が禁止されており、チケット類を転売する行為が刑事罰の対象となっています。この法律は、公共の場での取引や乗り物での転売行為を含み、違反した場合には罰金や懲役刑が科せられることがあります。

異なる地域での規制

一部の地域では、ダフ屋行為を禁止する条例が存在しない場合もありますが、物価統制令を用いた取り締まりが実施された例もあります。ダフ屋行為の禁止は、戦後の食糧難に起因する背景を持ち、暴力団の資金源を断つ目的でも規制が強化されました。

不正転売防止法

2018年には、「特定興行入場券の不正転売を禁止する法律」が制定され、転売行為を一律に規制することが目的とされています。この法律は、興行入場券の価格を超えて販売することを禁じ、違反した場合は懲役または罰金が科されることになります。特に、転売目的でチケットを購入したことを立証する必要がなく、定価を超えるだけで違法となるため、買い手にとってもリスクが伴う取引となります。

ダフ屋行為の実例

ネットオークションやチケット転売サイトを用いたダフ屋行為の摘発事例も数多く報告されています。例えば、有名アーティストのコンサートチケットを高額で販売するために大量に購入した業者が逮捕された事例があり、これにより法の適用が進むと共に、消費者にとってのリスクも増大しています。

買い占めと対策

チケットの買い占めを防ぐために、販売サイトではbot対策が効果を上げているとされています。さらに、チケット購入時に本人確認を徹底し、転売を禁止する方針を各施設が発表するなどの対策が取られています。最近では、生体認証技術を活用して、チケット購入者本人がイベント会場にいるか確認する方法も導入されています。

国際的な規制

アメリカ、イギリス、フランスなど、多くの国でもダフ屋行為に関する法律が存在し、厳しい規制が行われています。これらの国では、興行主が権限を与えた者以外がチケットを販売することを禁じる法律や、不正に興行券を転売することが違法であるとの見解が定められています。このように、チケット転売に関する問題は国境を超えた課題として、さまざまな対策が講じられています。

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