ダブリナーズ (日本のパブチェーン)

ダブリナーズ：サッポロライオンが運営するアイリッシュパブチェーン

ダブリナーズ（英：Dubliners'）は、サッポロライオンが経営するアイリッシュパブのチェーンです。アイリッシュパブのダブリナーズやダブリナーズアイリッシュパブとしても知られています。

来歴

新宿1号店のオープン

1992年、アイルランド共和国商務庁とギネスビールの有名なギネス社が、世界中でアイリッシュパブを開設するための支援を始めました。この取り組みの一環として、サッポロライオンが運営ノウハウを受けた結果、1995年12月に新宿ライオン会館の2階にダブリナーズ1号店がオープンしました。当初、2階は狭く、ワインレストランとしての利用が計画されていましたが、アイリッシュパブの開店提案が行われ、ギネスの支援を受けて改装されることになりました。

アイルランドの職人を雇い、古びた伝統的なインテリアを追求して大胆な改装を施しました。開店時は客足が少なく、経営の失敗が懸念されましたが、アイルランド人をターゲットにしたマーケティングを開始し、聖パトリックの祝日にはビールのフリーチケットを配布し、アイルランド映画の上映イベントにも参加することで知名度を高めていきました。その結果、アイルランド系を含む国外出身者に人気を博し、開店から数年後には収益が大幅に向上しました。

2017年には「現存する都内最古のアイリッシュパブ」として、多くの人々に記憶されており、ヴィクトリア朝風の内装が特徴のビアホールとして愛されています。料理にはフィッシュ・アンド・チップスなどの伝統的なパブ料理が揃っています。

店舗の展開と閉店の経緯

アイルランド文化が日本で評判を呼ぶ中で、1996年10月には池袋店が追加オープンしました。こちらも開店当初は多くの常連客が国外出身者で構成されていました。また、神戸市の旧居留地に3号店を開店しましたが、こちらは後に閉店しました。

1997年5月には大阪のミナミに大阪店を開いたものの、こちらも後に閉店しました。この結果、ダブリナーズの関西店舗は消え、都内での営業となりました。2000年2月には赤坂店がオープンし、同様に外国人客が多く訪れていましたが、2020年に閉店を迎えました。

2002年には虎ノ門店が新たにオープンし、アイルランドの田舎のコテージを模した内装で注目を集めました。しかし、現在は閉店しています。品川店が2003年にオープンしましたが、ターゲット層は変わらず、主に国外出身者が訪れていました。

人気メニュー

ダブリナーズでは、アイルランドで人気のギネスビールなどのアルコールが魅力です。特徴的なのは、ギネスビールを冷やして提供する点です。食事メニューにはフィッシュ・アンド・チップス、アイリッシュシチュー、コルカノン、シェパーズパイ、アイリッシュブラウンブレッドなど、ブリテン諸島の伝統料理が並びます。特にフィッシュ・アンド・チップスは、独自のレシピで揚げられています。

営業店舗の現状

2022年1月時点で、営業している店舗は新宿店と池袋店の2店です。2004年には全203店舗中9店がダブリナーズだったものの、神戸、大阪、赤坂、虎ノ門、大手町の店舗はすでに閉店しました。2021年には渋谷店と品川店も閉店したことから、今日では都内の限られた店舗での営業となっています。

影響と評価

2002年の日韓ワールドカップの影響で、パブでのサッカー観戦文化が広まり、アイリッシュパブ人気も底上げされました。この年にはダブリナーズも成長の波に乗り、日本国内でのアイリッシュパブの普及に寄与したと考えられています。1996年に19万箱だったギネスビールの消費量は、2003年に32万箱まで増加しており、ダブリナーズの影響が大きいとされています。

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