ダブルベース火薬

ダブルベース火薬：高性能な無煙火薬

ダブルベース火薬は、ニトロセルロースとニトログリセリンを主要な成分として構成された無煙火薬の一種です。この火薬は、その優れた性能から、主に火砲や小火器の発射薬として広く利用されています。

特徴

組成: ダブルベース火薬は、ニトロセルロースとニトログリセリンを基剤とし、これに膠化剤、安定剤、緩燃剤、焼食抑制剤、消炎剤などの添加物を加えて製造されます。代表的な組成として、アメリカ軍で正式採用されているM26火薬では、ニトロセルロースが約77.45%、ニトログリセリンが約19.50%、その他添加物が約3.05%となっています。
外観: 静電気防止のために、黒鉛光沢処理が施されており、外観は黒色の粒状をしています。
燃焼特性:
火炎温度：約3220K
火薬力：約1091J/g
燃焼生成ガス：二酸化炭素、一酸化炭素、水、水素ガス、窒素ガスなどを生成します。
爆発熱：約966 cal/g
比熱比：約1.238
仮比重：約1.62 g/cm3
燃焼速度: シングルベース火薬と比較して、燃焼速度が速いのが特徴です。
爆発熱と発生ガス: 爆発熱はシングルベース火薬よりも大きいですが、発生ガス容量は少ない傾向があります。
焼食性: シングルベース火薬よりも焼食性が高く、銃砲の寿命を縮める可能性があります。
推進効果: シングルベース火薬よりも推進効果が高いため、砲身の短い迫撃砲などの装薬として適しています。

シングルベース火薬との比較

ダブルベース火薬は、シングルベース火薬と比較して、燃焼速度が速く、爆発熱も大きいという利点があります。しかし、焼食性が高く、銃砲の寿命を縮める可能性があるという欠点も持ち合わせています。そのため、用途に応じて適切な火薬を選択する必要があります。

その他の火薬

シングルベース火薬: ニトロセルロースを主成分とする火薬です。
トリプルベース火薬: ニトロセルロース、ニトログリセリン、ニトログアニジンを主成分とする火薬です。

関連項目

ニトロセルロース
* ニトログリセリン

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