ダリエン県

ダリエン県：パナマの秘境

ダリエン県は、パナマ共和国の東部に位置する広大な県です。その面積はパナマ国内で最大であり、ダリエン地峡と呼ばれる、高温多湿な熱帯雨林に覆われた地域です。人口密度は低く、手つかずの自然が残されています。北米から続くパン・アメリカン・ハイウェイは、このダリエン地峡で途絶えており、陸路での南北アメリカ大陸の移動を阻む要因の一つとなっています。

歴史

ダリエン県は、ヨーロッパ人にとって初期の探検と植民地化の舞台となりました。1501年に最初のヨーロッパ人がこの地を発見し、1503年にはクリストファー・コロンブスが4度目の航海で到達しました。1510年、スペイン人は南米初のヨーロッパ人植民地であるサンタ・マリーア・ラ・アンティグア・デル・ダリエンを建設しました。しかし、この植民地は長くは続かず、放棄されました。

1513年には、バスコ・ヌーニェス・デ・バルボアがサンタ・マリーアの町を出発し、太平洋を発見するという偉業を成し遂げました。この発見は、その後のスペインによる南米大陸の征服と植民地化を大きく進めることになりました。1519年、サンタ・マリーアからの難民は、シウダ・デ・パナマの設立に貢献しました。

17世紀末には、スコットランドがダリエン植民地化を試みるダリエン計画を開始しました。しかし、この試みは時期尚早であり、気候や地理的条件の厳しさ、スペインとの対立などから失敗に終わりました。この失敗は、1707年の合同法制定につながり、スコットランド議会がイギリスに加わる一因となりました。

地理

ダリエン県の県庁所在地はラ・パルマです。ラ・パルマは、トゥイラ川がサン・ミゲル湾に注ぐ場所に位置しています。トゥイラ川は、ダリエン県を流れる主要な河川であり、地域の交通や生活に重要な役割を果たしています。

隣接する県

北：クナ・ヤラ自治県
北西：エンベラ自治県
南：チョコ県（コロンビア）
西：パナマ県

下位行政区画

ダリエン県は、以下の地区に分かれています。

Chepigana District
Pinogana District
Santa Fe District

関連事項

バスコ・ヌーニェス・デ・バルボア：太平洋を発見した探検家。
* パナマの行政区画：パナマの地方行政区分に関する情報。

ダリエン県は、豊かな自然と歴史を持つ地域であり、その多様な文化や生態系は、訪れる人々を魅了します。

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