ダリップ・シン

ザ・グレート・カリ：WWEを席巻したインドの巨星

ダリップ・シン・ラーナ、リングネーム「ザ・グレート・カリ」として知られる彼は、アメリカ合衆国で活躍したプロレスラーです。1972年8月27日、インドのヒマーチャル・プラデーシュ州で生まれました。2メートルを超える巨躯と圧倒的なパワーで、WWEにおいて大きな存在感を示しました。

華麗なるキャリアの軌跡

カリのキャリアは警察官としての勤務から始まりました。しかし、並行して行っていたボディビルディングで才能を開花させます。「ミスター・インディア」の称号を獲得した彼は、プロレスラーへの転身を決意。1999年、アメリカへ渡り、カリフォルニア州ヘイワードのAPW（All Pro Wrestling）でトレーニングを始めます。

新日本プロレスでの活躍

2001年、新日本プロレスに参戦。「ジャイアント・シン」として、ジャイアント・シルバとタッグを組みました。2メートルを超える巨漢同士の迫力ある試合は、観客を魅了しました。しかし、2002年にはタッグを解消、シングルマッチで激突することになります。その後は「シン・ザ・ジャイアント・コンビクト」として、ファンタジーファイトWRESTLE-1にも出場しています。

WWEでの栄光と苦悩

2006年、WWEと契約。傘下団体DSWでデビューした後、「ザ・グレート・カリ」としてWWEのSmackDown!にデビューを果たします。マネージャーのデバリと共に、ジ・アンダーテイカーを襲撃。その後、繰り広げられた抗争はWWE史に刻まれる激闘となりました。

WrestleMania 23ではケインと対戦し勝利を収めます。その後も、フィンレー、ホーンスワグル、そしてドルフ・ジグラーらと抗争を展開。2007年には20人バトルロイヤルを制し、WWE世界ヘビー級王座を獲得するという快挙を達成します。

しかし、カリのWWEでの活躍は順風満帆ではありませんでした。ケインとの抗争中に、ランジン・シンが彼の弟であることが明かされるなど、様々なドラマが展開されました。2010年にはインドへ帰国するも、その後はRAWへ移籍し、WrestleMania XXVIIの22人バトルロイヤルで優勝しています。2012年にはロイヤルランブルに電撃復帰。その後もNXTなどに出演しますが、2014年にはWWEを退団します。

WWE退団後

WWE退団後、カリはインドでCWE（Continental Wrestling Entertainment）を設立。2015年からプロモーターとして活動を始めます。CWEでは、ブロディ・スティールとの激闘が有名です。試合中の負傷にも屈せず、リベンジマッチで勝利を収めています。その後も、BTW（Big Time Wrestling）などにも参戦し、現役を続けました。2017年にはBattleground 2017で、WWE王座戦に介入し、ジンダー・マハルの王座防衛に貢献しています。

圧倒的なパワーとカリスマ性

ザ・グレート・カリの最大の武器は、その巨体から繰り出されるパワーです。「カリ・チョップ」や「パンジャブ・プランジ」といった得意技は、相手を圧倒する破壊力を持っていました。新日本プロレス時代には「ジャイアント・ボム」をフィニッシャーとして使用していました。

インドの巨星、その軌跡

ザ・グレート・カリは、インド出身のプロレスラーとしてWWEで成功を収めた希有な存在です。その圧倒的なパワーとカリスマ性で世界中のプロレスファンを魅了し、WWEの歴史に大きな足跡を残しました。WWEでの活躍だけでなく、インドでの団体設立など、プロレス界への貢献は計り知れません。彼のキャリアは、多くのプロレスラーにインスピレーションを与え続けるでしょう。

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