ダリル・ホランド

ダリル・ホランド：世界を舞台に活躍した名騎手から敏腕調教師へ

ダリル・ホランドは、1972年イギリス・マンチェスターに生まれ、1990年、バリー・ヒルズ厩舎所属で見習い騎手としてキャリアをスタートさせました。類まれな才能を開花させ、1991年には85勝を挙げてイギリス見習騎手チャンピオンに輝き、レスター賞見習騎手部門を受賞するなど、早くからその名を馳せました。

若手時代から頭角を現したホランドは、1992年にはジョン・ゴスデン厩舎のナイフボックスでG3ラクープドメゾンラフィットを制し、重賞初制覇を達成します。その後も活躍の場を広げ、1994年には初来日。JRA初騎乗となった中山競馬場でのグローバルカップでいきなり勝利を収めるという鮮烈なデビューを飾りました。

日本での活躍はその後も続き、1996年には日本中央競馬会の短期免許を取得し、毎日王冠をアヌスミラビリスで制覇。JRA重賞初勝利を挙げ、日本の競馬ファンにその名を刻み込みました。

イギリスを主戦場としながらも、世界各地で活躍を続けたホランドは、1997年にはヨークシャーオークスをマイエマで制し、G1競走初制覇という栄光を掴みます。2003年には年間158勝という自己最多勝を記録するなど、トップジョッキーとして活躍し続けました。ワールドスーパージョッキーズシリーズへの出場や、イギリスの芝レースでの61勝など、数々の記録を残しています。

日本、イギリス以外にも、ホランドは韓国でも騎乗経験があります。2013年から2014年、そして2016年から2017年にかけて、釜山慶南競馬場で短期騎乗を行い、国際的な活躍を見せつけました。また、2015年には日本の地方競馬でも期間限定で騎乗しています。

2016年シーズンをもって騎手を引退したホランドは、2021年には調教師免許を取得。ニューマーケット近郊に厩舎を開業し、新たなキャリアをスタートさせました。元騎手のキーレン・ファロンがアシスタントトレーナーとして加わるなど、充実した体制を整え、第二の成功を目指しています。

ホランドの騎乗馬には、アヌスミラビリス、コンプトンアドミラル、ファルブラヴなど、数々の名馬が名を連ねています。これらの名馬とのコンビネーションは、競馬史に燦然と輝く数々の勝利を生み出しました。

ダリル・ホランドは、卓越した騎乗技術と国際的な活躍で、競馬界に大きな足跡を残した名騎手です。引退後も調教師としてその才能を発揮しており、今後の活躍にも期待が高まります。彼のキャリアは、多くの競馬ファンにとって、永遠に語り継がれる伝説となるでしょう。

主な騎乗馬:

アヌスミラビリス (Annus Mirabilis): 1996年 毎日王冠
コンプトンアドミラル (Compton Admiral): 1999年 エクリプスステークス
* ファルブラヴ (Falbrav): 2003年 エクリプスステークス、インターナショナルステークス、クイーンエリザベス2世ステークス

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