ダルハウジー伯爵

ダルハウジー伯爵の歴史

ダルハウジー伯爵はスコットランドの貴族の中で特に注目すべき存在であり、1663年に創設された家系です。その始まりは、第2代ラムゼイ卿ウィリアム・ラムゼイが貴族に叙せられたことに遡ります。以降、ラムゼイ氏族はスコットランドの政治や社会に深く関与してきました。

最初の爵位は、1618年にジョージ・ラムゼイがメルローズのラムゼイ卿として叙されたことから始まりました。翌年には、彼の爵位はダルハウジーのラムゼイ卿へと改称されました。このジョージの息子であり、2代ラムゼイ卿となったウィリアム・ラムゼイは1633年6月26日にダルハウジー伯爵の称号を得ました。これがダルハウジー伯爵家の始まりです。

歴史の中で、ダルハウジー伯爵家は数々の重要な職務を果たしてきました。例えば、8代伯ジョージ・ラムゼイはフリーメイソンのグランドマスターとして活動した他、スコットランド貴族代表議員や警察卿などを歴任しました。彼はさらに母方の叔父から遺産を相続したが、長男でなく次男にその財産を渡し、新たに「モール」と名乗ることになりました。これにより、ウィリアム・ラムゼイは1831年にブレチン＝ネイヴァーのパンミューア男爵に叙され、しかし彼の後を継いだ世代は爵位を有し続けられませんでした。

また、9代伯ジョージ・ラムゼイはノバスコシアの総督等様々な重要な役職を歴任し、その後もスコットランド貴族の中でも非常に影響力のある家系としての立場を維持しました。彼の在任期間中に10代伯ジェイムズ・ラムゼイは、インド総督としての役割を担い、インドの統治において重要な改革を行いましたが、その強硬策は後にインド大反乱を招く要因となりました。

1849年には彼がダルハウジー侯爵に叙せられたものの、彼には男子がなく、爵位は一代限りとなってしまいました。以降、爵位は11代伯に引き継がれ、家名は「モール＝ラムゼイ」となりましたが、11代伯にも子はなく、その後の世代が続いています。

12代伯ジョージ・ラムゼイは王立海軍の提督として名を馳せ、13代伯のジョン・ラムゼイは政治家としても活躍しました。16代伯サイモン・ラムゼイは、エリザベス皇太后の宮内長官を務め、長い間貴族家族の中で重要な役割を果たしてきました。現在の17代伯ジェイムズ・ラムゼイは、2009年から王室家政長官を務め、その伝統を引き継いでいます。

ダルハウジー伯爵家は多くの歴史的瞬間を経て、現在に至るまで名声を保ち続けています。彼らの家訓「祈れ、そして働け（Ora Et Labora）」は、彼らの精神や価値観を表す言葉として語り継がれています。本邸はアンガス州のブレチン城であり、ここで彼らの伝統が脈々と受け継がれています。

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