ダロン・マラキアン

ダロン・マラキアン：System Of A Downを支える才能

ダロン・ヴァータン・マラキアン（Daron Vartan Malakian）は、1975年7月18日生まれのアルメニア系アメリカ人ミュージシャンです。彼は、世界的に有名なバンド、System Of A Down（システム・オブ・ア・ダウン、以下SOAD）のリードギタリスト兼サブボーカリストとして最もよく知られています。

音楽的ルーツと初期の音楽体験

カリフォルニア州ハリウッドで、アルメニア系の父とイラン＝アルメニア系の母の間に生まれたマラキアンは、幼少期から多様な音楽に触れて育ちました。KISS、ヴァン・ヘイレン、アイアン・メイデン、ジューダス・プリースト、モーターヘッドといったヘヴィメタルの影響を受けつつも、ドラマーを志望していました。しかし、両親からギターを与えられたことをきっかけに、その魅力に没頭。スレイヤー、メタリカ、パンテラ、セパルトゥラといったバンドに傾倒する一方で、ビートルズの音楽性にも感銘を受け、音楽の幅を広げていきました。

System Of A Down結成と成功

1993年、マラキアンは別のバンドで活動していたサージ・タンキアンと出会い、セッションバンド「Soil」を結成します。短期間で解散後、マネージャーだったシャヴォ・オダジアンがベーシストとして加入し、SOADが結成されました。その後、ジョン・ドルマヤンがドラマーとして加わり、アマチュア時代から注目を集め、プロデビューを果たします。

SOADは、独特な音楽性と政治的なメッセージで瞬く間に人気を博し、数々のアルバムをリリースして成功を収めました。マラキアンのギタープレイは、ヘヴィメタルの激しさとアルメニアの民族音楽の要素を融合させたもので、バンドのサウンドを特徴づける重要な要素となっています。

Scars on Broadwayとサイドプロジェクト

2003年、マラキアンはサイドプロジェクト「Scars on Broadway」を始動させました。SOADが活動を休止した2006年に本格的に再始動し、2008年にはデビューアルバム「SCARS ON BROADWAY」を発表しました。このプロジェクトでは、SOADとは異なる、より実験的で多様な音楽性を追求しています。また、2014年にはリンキン・パークのアルバム「ハンティング・パーティ」のレコーディングにも参加するなど、幅広い活動を展開しています。

プレースタイルと音楽性

マラキアンは、ヘヴィメタル系のギタリストに分類されますが、速弾きやタッピングなどのテクニックに偏らず、楽曲の一部としての演奏を重視しています。そのため、テクニック面で「下手」と評されることもありますが、繊細なアルペジオから激しいリフまで、その表現力は非常に多彩であり、ヘヴィメタルの枠にとらわれない演奏スタイルは高く評価されています。ライブでは、アルバムの再現にこだわらず、その場のノリや感情に任せたパフォーマンスをすることが多く、観客を盛り上げています。

使用機材

マラキアンは、ライブやスタジオで様々な機材を使用していますが、主なギターとしては、Seymour Duncanの「SH-6 Distortion」ピックアップを搭載したIbanez Iceman、Gibson SG、Fender Stratocaster、Jackson RR5 Rhoadsなどを使用しています。アンプはMarshallをメインに使用し、初期のアルバムではMesa Boogie Dual and Triple Rectifiersも使用していました。また、エフェクターとしては、Fulltone Clyde Wah Pedal、Line 6 DL-4、Boss MT-2などが使用されています。

まとめ

ダロン・マラキアンは、SOADのギタリストとしてだけでなく、Scars on Broadwayでの活動や他のアーティストとのコラボレーションを通じて、その才能を発揮し続けています。彼の独特なギタープレイと音楽性は、多くのファンを魅了し、次世代のミュージシャンにも影響を与えています。

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