ダンジョンエクスプローラー

ダンジョンエクスプローラー：PCエンジンを代表するアクションRPG

1989年3月4日、ハドソンよりPCエンジン向けに発売された『ダンジョンエクスプローラー』は、最大5人での同時プレイが可能なアクションロールプレイングゲームです。滅亡の危機に瀕したコーネリア王国を救うため、伝説の秘宝「アイラの玉」を探す冒険がプレイヤーを待ち受けます。

ゲームシステム：最大5人で冒険！

プレイヤーは、ファイター、シーフ、ウォーロックなど8種類の職業から1つを選び、冒険を開始します。王様から指示されたダンジョンを探索し、敵モンスターやジェネレーターを倒しながら、各ダンジョンの奥深くで待ち受けるボスに挑戦します。ジェネレーターを破壊しないと敵は無限に湧き続けるため、戦略的な戦闘が求められます。ダンジョン内には、階段やワープゾーンが存在し、複雑な構造となっています。

本作は、アーケードゲーム『ガントレット』をモチーフとしており、複数人プレイが最大の魅力です。最大5人まで同時プレイが可能で、発売当時、これは大きなセールスポイントとなりました。PCエンジンで2人以上プレイする場合はマルチタップ、SEGA-CDで3人以上プレイする場合はTEAM PLAYERが必要でした。

キャラクターと成長：個性豊かな職業とステータス

各キャラクターにはレベル、素早さ、攻撃力、体力、知性といったステータスが設定されています。ボスを倒したり、アイテムを拾ったりすることで、レベルアップやステータスアップが可能です。ステータスはパスワードで保存できます。

ゲームには様々なアイテムが登場します。回復アイテム、ステータスアップアイテム、敵の行動を変化させるアイテムなど、多様なアイテムが戦略の幅を広げます。ボス撃破で手に入るクリスタルは、色によって上昇するステータスが異なり、プレイヤーレベルも上げます。

ストーリー：平和を取り戻すための冒険

かつて、コーネリア王国は平和な国でした。しかし、魔物の出現により平和は失われ、王国は滅亡の危機に瀕します。人々は、伝説の秘宝「アイラの玉」に平和を取り戻す力があると信じ、勇者たちを冒険へと送り出します。「アイラの玉」を手に入れるにはクリスタルを探せという古文書の記述を頼りに、勇者たちは長い旅路に出発します。

使用キャラクター：個性豊かな10種類の職業

プレイヤーは、ゲーム開始時に8種類の職業からキャラクターを選択します。特定の条件を満たすと、さらに2種類の職業が解放されます。多人数プレイ時は、同じ職業のキャラクターを複数選択することはできません。それぞれの職業には固有の武器と魔法が設定されており、バランスの取れた戦士タイプから魔法に特化した司祭タイプまで、多様なプレイスタイルが可能です。

使用可能な職業例

ファイター: バランスの取れた戦士。
シーフ: 足の速い盗賊。アイテムドロップ率が高い。
ウォーロック: バランスの取れた呪術師。
ウィッチ: 平均的な能力を持つ魔女。
バード: 可能性を秘めた吟遊詩人。BGM変更魔法を持つ。
ビショップ: 魔法が強力な司教。移動速度が遅い。
エルフ: 足が速く、毒耐性を持つ妖精。攻撃力は低い。
ドワーフ: 体力が最も高い小人。移動速度と攻撃速度が遅い。
プリンセス: ゲーム中に救出することで仲間になる王女。
ハーミット:特定条件を満たすと転職できる隠者。高いステータスを持つが移動速度が遅い。

開発段階では、パイレート、モンク、シャーマン、ウィザード、プリースト、ナイトといった職業も存在していました。

移植版：様々なプラットフォームへの展開

『ダンジョンエクスプローラー』は、PCエンジン版以外にも、SEGA-CD、携帯アプリ、Wii、Wii U、PlayStation 3、PlayStation Portableなど、様々なプラットフォームに移植されました。現在では、コナミデジタルエンタテインメントが販売元となり、バーチャルコンソールやゲームアーカイブスなどで購入可能です。移植版では、マルチプレイの対応状況や、操作方法などが異なる場合があります。

音楽：増子司による名曲の数々

本作の音楽は、『女神転生』シリーズなどで知られる増子司氏が担当しました。PCエンジンの波形メモリ音源を最大限に生かした、透明感のあるサウンドは高い評価を得ています。タイトル画面の「STEREO」表記からも、サウンドへのこだわりが伺えます。

評価とシリーズ作品

ゲーム誌での評価は高く、多くのプレイヤーから支持されました。続編として『ダンジョンエクスプローラーII』や、スーパーファミコン版『クリスタルビーンズ フロム ダンジョンエクスプローラー』などが発売されました。

『ダンジョンエクスプローラー』は、最大5人での同時プレイや、個性豊かなキャラクター、奥深いダンジョン、そして魅力的な音楽など、多くの魅力を備えた作品です。当時PCエンジンをプレイした世代には懐かしい、思い出深い作品と言えるでしょう。

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