ダンスは楽し

トムとジェリー：ダンスは楽し

『ダンスは楽し』（Down Beat Bear）は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督による人気アニメシリーズ『トムとジェリー』の一編です。個性豊かなキャラクターとテンポの良い展開で、老若男女問わず楽しめる作品として知られています。

ストーリーの概要

ジェリーは自宅でくつろぎ、ラジオから流れる音楽を満喫しています。一方、トムは新聞を読もうとしていましたが、ジェリーのラジオの音に邪魔され、静かに過ごしたいと願っています。ラジオの電源と部屋の照明が連動しているという設定のため、トムが消灯しようとすると音楽も止まり、ジェリーは再びラジオを付けます。二匹の激しい攻防が繰り広げられます。

この騒動の最中、ラジオの放送は一時中断され、臨時ニュースが流れ始めます。ニュースの内容は、カーニバルから脱走したクマの目撃情報と、そのクマに関する懸賞金でした。

トムは、この情報を聞きつけ、賞金目当てにクマを探し始めます。ところが、ジェリーがラジオの電源を入れ直したことで、音楽が再び流れ出し、クマがトムの家の窓の外に現れます。音楽に合わせて踊り出すクマを前に、トムは困惑します。

ジェリーは、ラジオだけでなくレコードプレーヤー、さらには自身による生演奏まで駆使して、しつこく音楽を流し続けます。そのたびにクマが踊り狂い、トムは何度もダンスに巻き込まれていきます。

一転、ジェリーが別のラジオをつけると、今度はクマの懸賞金が倍増したという続報が流れてきます。トムは、クマを捕まえようとしますが、ジェリーがラジオの電源をいれ続けます。そして、トムはついにラジオを奪い、庭に投げ捨てようとします。ところが、ラジオは高い木の枝に引っかかり、電源が入ったままになります。

ついに運命を受け入れたトムは、月明かりの下でクマと夜通し踊り明かすことになります。このユーモラスな展開は、視聴者に多くの笑いと楽しさを提供します。

登場キャラクター

トム:　お調子者で、賞金に目がくらみクマを捕まえようとするが、ジェリーとクマに翻弄され続けます。最後は、クマと踊り明かすという予想外の結末を迎えます。
ジェリー:　いたずら好きで、トムをからかうのが大好き。様々な方法で音楽を流し続け、トムを困らせます。しかし、最後はトムの決意を見て、静かにその場を去ります。
* クマ:　カーニバルから脱走したクマ。音楽を聴くと踊り出すという変わった習性を持っています。トムを災難に巻き込みますが、憎めないキャラクターです。

作品の特徴

『ダンスは楽し』は、シネマスコープで制作された作品の一つであり、現在でもその名残としてワイドサイズで視聴できる場合があります。また、ラストシーンでは「THE END」の文字が表示される独特の演出が用いられています。

日本では、1964年から1990年代頃までTBS系列などで度々放映され、親しまれてきました。現在でもDVDなどで視聴可能です。

まとめ

『ダンスは楽し』は、トムとジェリーのコミカルなやり取りと、予想外の展開が魅力的な作品です。音楽とクマという意外な要素が織りなすユーモラスなストーリーは、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。音楽、ダンス、そしてトムとジェリーという組み合わせが、この作品を『トムとジェリー』シリーズの中でも特異で記憶に残る一編にしています。シネマスコープによる映像表現も、当時の技術の高さを伺わせる要素となっています。

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