ダーキニー (オウム真理教)

ダーキニーについての詳細

ダーキニーは、オウム真理教において特別な地位を持つ女性たちを指します。彼女たちは教団の教祖である麻原彰晃の愛人として知られ、その存在には独自の選出過程と背景があります。本稿では、ダーキニーの意味や役割、彼女たちの選ばれ方について詳しく説明します。

ダーキニーの概念

オウム真理教におけるダーキニーは、教団の戒律である「不邪淫」に対し、麻原自身が超越した存在であるとの位置づけから、さまざまな特権を持ちながら生活していました。この戒律は、出家信者にとって非常に厳格であり、特に配偶者や恋人以外との性行為は禁じられていました。しかし、麻原は自らを「最終解脱者」として位置づけ、そのために若い女性信者たちとの性行為を「左道タントライニシエーション」と名付け、この行為を宗教的な義務としました。

これにより、彼女たちは麻原のために特別な存在となり、教団内での地位も高く認められました。実際、ダーキニーは富士山総本部や上九一色村のサティアンに住み、麻原との関係を深めていきました。

選出過程

ダーキニーとなる女性は、厳格な選考プロセスを経ました。入信時には顔写真が撮影され、麻原好みの女性が選ばれるための書類選考が行われます。その後、選ばれた女性は本部に呼び出され、直接麻原と幹部との面接を受けることになります。

選考を通過した女性に対しては、実際に麻原による性行為が施行され、処女であることがダーキニーとなる条件とされました。このため、若く、信者の中でも特に美しさや純粋さが求められました。

麻原の性的嗜好とダーキニーの生活

麻原彰晃は、約15歳から25歳の若い女性を選好し、処女であることに強くこだわりました。このため、ダーキニーは通常、若い女性信者から構成されることが多かったのです。彼は自身の性的嗜好を強く反映させるために、長髪の女性を好みました。そのため、自由を求める女性信者たちは短髪にすることでダーキニーにならないようにしていたと言われています。

ダーキニーになることで得られる特権には、教団内での高い礼遇、運転手付きの車の使用、私服の着用、質の高い食材を食べる権利がありました。とはいえ、ダーキニーたちも一般信者と同様に「ワーク」に従事する義務があり、普段は第2サティアンでラーメン工場に勤務していました。彼女たちは非合法活動に参加することは少なかったものの、教団の一員として重要な役割を担っていたのです。

麻原の他の愛人たち

ダーキニー以外にも麻原には多くの女性との関係があり、特に女性幹部たちが愛人となるケースが見られました。中でもマハー・ケイマこと石井久子は教団内で最も高い地位を持つ愛人であり、麻原との間には子供も生まれています。その他にも、多数の若い女性信者たちが麻原との関係を持ち、彼の子供を産むことになった女性は多く存在しました。

最終的に、麻原の愛人はおよそ100人に及ぶとのことです。彼の妻もまた、そのような愛人たちの存在を知りつつ、麻原の生活を支えていたことが示されています。捜査当局による強制捜査では、多くの子供が教団施設から保護され、このことは教団に対する社会的な影響を引き起こしました。

このように、ダーキニーはオウム真理教における独特の位置を占め、麻原の性と信仰に関わる複雑な事情を反映している存在だと言えるでしょう。

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