石井久子

石井久子について

石井久子（いしい ひさこ）は、日本の新興宗教「オウム真理教」の幹部であり、教団の責任役員を務めた人物です。彼女は教団内でのホーリーネームが「マハー・ケイマ」であり、オウム教の中での重要な役割を担っていました。

幼少期と出家

石井は幼少期から負けず嫌いであり、文武両道の才能を持っていました。しかし、彼女の両親は女性であることを理由に大学進学を許可せず、短大を卒業後は保険会社に就職しました。仕事を続けていた際、同僚の飯田エリ子に誘われ、麻原彰晃のヨーガ教室「鳳凰慶林館」を訪れました。その後、オウム神仙の会が発足し出家制度が整うと、1986年6月に保険会社を退社し出家しました。

教団内では、管理番号00001が付与され、極めて早い段階で正大師に昇進しました。彼女は教団の広告活動でも中心的な存在として知られており、宣伝広告の写真モデルとしても積極的に関わりました。さらに、教団の省庁制が導入されると、大蔵省大臣の役職にも就任しました。

麻原との関係

石井は麻原の愛人の一人でもあり、間に子どもを3人（死産を含む）授かっています。この関係は、教団の正妻である松本知子にも知られており、彼女との間での争奪戦が繰り広げられました。松本知子は麻原に対し激しい嫉妬を持っており、しばしば喧嘩が発生しました。

教団内の暗い歴史

1989年には、坂本堤弁護士一家の殺害事件に関わり、その遺体処理にも参加したと言われています。この時期、彼女は政治活動にも進出し、同年の衆議院議員総選挙には真理党から立候補しましたが、選挙には落選しました。その後、国土法違反事件に巻き込まれ、一時的に逮捕されました。

1995年3月21日発生した地下鉄サリン事件に関連し、彼女は信者に逃走資金として3000万円を提供したことから、再度逮捕されました。石井は信者の逃走を助けたとして犯人隠避容疑での起訴も受け、懲役4年の実刑判決を受けます。この事件がきっかけで教団を脱退し、出所後にはオウムに関与しないと宣言しました。

脱会後の人生

2000年11月に出所した後の会見では、オウム真理教の信仰から脱していることを強調しました。しかし、上祐史浩によると、出所後には精神的な不安定を示したこともあったと伝えられています。

出版物

石井はオウムに関する書籍も執筆しており、その一つに『飛翔―布施 アストラルへの旅』（1991年）があります。この書籍は教団内外での彼女の体験を描いた内容とされています。

参考文献と関連項目

彼女に関する詳しい情報は、朝日新聞社による『オウム法廷7―「女帝」石井久子』（2001年）で得ることができます。また、石井に関連する項目として、オウム真理教やオウム真理教事件が挙げられます。

このように、石井久子はオウム真理教の重要な幹部として、教団の活動や事件に大きく関わった人物でした。

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