ダーター (SS-576)

USS Darter (SS-576)

USS Darter（SS-576）は、アメリカ海軍に属する潜水艦で、その名前はペルカ科に含まれる小型淡水魚の総称に由来しています。本艦はタング級潜水艦を基に設計されており、同型艦は存在しません。この潜水艦は、同名を持つ艦艇の中では2隻目となります。

艦歴の概要

USS Darterの起工は1954年の11月10日で、コネチカット州グロトンにあるエレクトリック・ボート社で行われました。その後、1956年の5月28日にG・L・ラッセル夫人の命名によって進水しました。艦長ラルフ・R・ブレイン少佐の指揮のもと、Darterは1956年10月20日に正式に就役しました。

Darterは、3名の操舵手が航空機型の操縦桿を利用して操縦するという先進的な技術の実験にも取り組みました。このような革新により、艦は航海技術の進展に寄与しました。

訓練演習への参加

本艦は、運用の主基地であるロードアイランド州のニューポートおよびサウスカロライナ州のチャールストンから、大西洋で数々の訓練演習に参加しました。さらに、カナダや北ヨーロッパでのNATO演習にも加わるなど、国際的な協力も体験しました。これらの訓練を通じて、Darterはさまざまな作戦環境における潜水艦の運用能力を向上させる役割を果たしました。

航行と衝突

しかし、1985年9月には、商船「カンザス・ゲティー」と衝突し、航行不能の状態になってしまいました。この事故は、Darterにとって運命的な転機となったと言えるでしょう。この時期以降、艦の運用能力は大きく制限され、最終的に退役の道をたどることになります。

退役とその後

USS Darterは1989年12月1日に退役し、1990年の1月17日に正式に除籍されました。最終的には、1992年の1月7日に真珠湾沖で原子力潜水艦USS Tautog（SSN-639）によって標的艦として沈められました。この出来事は、Darterの艦歴の幕引きを象徴するものであり、長い運用における艦のサービスを終えることとなりました。

まとめ

USS Darterは、アメリカ海軍における革新技術の象徴であり、数々の訓練演習に参加し、操縦技術の向上に寄与した潜水艦でした。その艦歴は、潜水艦の発展と軍事戦略における重要性を物語っています。

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