ダービス・ベルターンス

ダービス・ベルターンス：ラトビアが生んだシューティングフォワード

ダービス・ベルターンス（Dāvis Bertāns、1992年11月12日生まれ）は、その正確無比なアウトサイドシュートを武器に、NBAと欧州の舞台で活躍してきたラトビア出身のプロバスケットボール選手です。パワーフォワードとスモールフォワードをこなすユーティリティ性も持ち合わせており、「ラトビアン・レーザー」の愛称で親しまれています。

プロキャリアの幕開け

ベルターンスは、ラトビアの2部リーグでプロとしてのキャリアをスタートさせました。その後、スロベニアのKKオリンピヤ、セルビアのKKパルチザンといった欧州の強豪クラブを渡り歩き、着実にその実力を高めていきました。KKパルチザン時代には、セルビアリーグ優勝を3度経験するなど、タイトル獲得にも貢献しました。

しかし、順風満帆なキャリアばかりではありませんでした。2013年には右膝の前十字靭帯を断裂する大怪我に見舞われ、9ヶ月にも及ぶリハビリを余儀なくされました。それでもベルターンスは不屈の精神で困難を乗り越え、見事に復帰を果たしました。

NBAへの挑戦

2016年、ベルターンスはサンアントニオ・スパーズと契約し、念願のNBA入りを果たします。スパーズでは、持ち前のシュート力を活かしてチームに貢献。2018年1月8日のサクラメント・キングス戦では、キャリアハイとなる28得点を記録しました。

その後、ワシントン・ウィザーズ、ダラス・マーベリックス、オクラホマシティ・サンダー、シャーロット・ホーネッツとチームを移籍。2019-20シーズンには、ウィザーズでシックスマンとして大きく飛躍し、3ポイントシュートを量産しました。2021年2月17日のデンバー・ナゲッツ戦では、キャリアハイとなる9本の3ポイントを含む35得点を記録し、チームを勝利に導きました。

さらなる挑戦

2024年9月には、ABAリーグに参戦するBCドバイへの加入を発表し、新たな挑戦をスタートさせています。

ラトビア代表としての誇り

ベルターンスは、ラトビア代表としても長年にわたり活躍しています。2011年のバスケットボール男子欧州選手権を始め、ユーロバスケット2017、2023年FIBAバスケットボール・ワールドカップにも出場し、ラトビア代表の中心選手として国際舞台で存在感を示しています。

プレースタイルと人物像

ベルターンスは、ロングレンジからのシュート力を活かしたストレッチ・フォーとしての役割を主に担います。しかし、運動能力やバスケットボールIQも高く、ドライブからのダンクやアシストもこなせるオールラウンドな能力も持ち合わせています。

また、ベルターンスは13歳の時に事故で右手の薬指を半分失っています。このハンディキャップを乗り越え、プロバスケットボール選手として成功を収めた彼の姿は、多くの人々に勇気を与えています。

彼の父親は元プロバスケットボール選手で、現在はユースのコーチを務めています。兄のダイリス・ベルターンスもプロバスケットボール選手であり、ラトビア代表の主力選手として活躍しています。バスケットボール一家に生まれたベルターンスは、家族の支えを受けながら、これからもさらなる高みを目指していくことでしょう。

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