ダーラム (ニューハンプシャー州)

ダーラム（Durham）

ダーラムは、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州のストラッフォード郡に位置する町です。2020年の人口は15,490人で、ボストンから北へ約90km、州の最大都市であるマンチェスターから北東へ50km、ポーツマスからは北西へ19kmの距離にあります。ダーラムは、特にニューハンプシャー大学の学園都市として知られ、学生を中心とした活気あるコミュニティが形成されています。

歴史

ダーラムの土地には昔、アベナキ族やペンナコック族などのインディアン部族が生活していました。彼らは農業と狩猟を営み、穏やかな生活を送っていましたが、次第にイギリスやフランスからの入植者が来ることで状況が変わりました。入植者たちは周辺の部族を取り込み、植民地を発展させていきました。

ダーラムの起源は、オイスター川の河口に位置するオイスター・リバー・プランテーションと呼ばれる集落に遡ります。ここは1635年に入植地として設立され、後に1694年にはフランス軍による襲撃がありました。この事件で多くの住民が犠牲となり、後に「オイスター川の虐殺」として知られる悲劇が町を襲いました。それでも、ダーラムは再建に成功し、1716年にはドーバーから独立し、正式に町として認められました。

ダーラムの名称は、イングランド北東部の学術都市ダーラムに由来しています。1735年には町としての地位が確立され、後に周辺のマッドベリー、リー、ニューマーケット町が加わりました。

初期の入植者の子孫であるベンジャミン・トンプソン氏は、その資産を農業大学の設立に寄付しました。この大学は1866年に創立され、1893年にダーラムへ移転し、1923年に現在のニューハンプシャー大学に改名されました。トンプソン・ホールは1892年に建設され、大学のシンボルとなっています。

地理

ダーラムは緯度43.134°、経度-70.926°の位置にあります。面積は64.1km²で、58.0km²が陸地、6.1km²が水域です。ダーラムの北部にはビーチ・ヒルがあり、標高は88mで、町で最も高い地点です。町はオイスター川の河口に広がり、港としての役割も持っています。

気候は典型的なニューイングランドの気候で、涼しい夏と寒い冬が特徴です。夏場は平均気温が約20度、冬場は日中0度を下回ることもしばしばです。降水量は年間約1,100mmで、冬には多くの雪が降ることもあります。

交通

ダーラムへの主な交通路は、ボストンのローガン国際空港を利用することです。ポーツマスの近くにはピース国際トレードポートもありますが、利用可能な便は限られています。また、アムトラックのダーラム駅からは、ブランズウィックとボストンを結ぶダウンイースター号が停車します。州間高速道路I-95も利用可能で、多くの主要都市と繋がっています。

人口動勢

ダーラムの人口には多くの学生が含まれており、18-24歳の年齢層が56%を占めています。そのため、年齢の中央値は21歳と非常に若いものとなっています。しかし、大学生の影響で貧困率は27%と高い数字が出ているものの、実際の家庭としての所得水準は比較的高く、裕福な町として知られています。

このように、ダーラムは歴史的な背景と教育機関の強い影響を受けた魅力的な町です。

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