チェイス (バンド)

チェイスとは

チェイス（Chase）は、1970年にアメリカで結成されたブラス・ロックやジャズ・ロックを演奏するバンドです。中心メンバーのビル・チェイスの本名は「Williams Edward Chiaiese」で、イタリア系の名字を持っていますが、父が発音しやすくするために「Chase」に変更しました。バンドはその名のもとに活躍し、彼らのユニークなスタイルは多くのファンを魅了しました。

キャリアの始まり

チェイスは、ビルを中心とするさまざまなメンバーで構成されており、初期のメンバーには、テッド・ピアースフィールドやアラン・ウェア、ジェリー・ヴァン・ブレアといったトランペット奏者、フィル・ポーター（キーボード）、エンジェル・サウス（ギター）、デニス・ジョンソン（ベース）、ジェイ・ベリド（パーカッション）、テリー・リチャーズ（ボーカル）が名を連ねています。バンドのスタイルには、トランペットのみのブラス・セクションが特徴的です。この独特な編成が、他のバンドにはない高音のトランペットサウンドを生み出し、ラテン・パーカッションが音楽に情熱的な要素を加えていました。

1971年にデビューし、第一弾シングル「黒い炎」はビルボードで24位に達しました。この成功を受けて、ファースト・アルバム『追跡』は全米アルバムチャートで22位に上昇し、40万枚以上の売上を記録しました。これによりチェイスはブラス・ロックシーンの先駆者として評価されるようになりました。

メンバーの変遷と曲作り

バンドはしばしばメンバーが交代し、特にセカンド・アルバム『ギリシャの神々 (エニア)』の製作中には、様々な理由でメンバーが脱退していきました。この時期にメンバーが次々と離脱し、結成からわずか2年でバンドは活動を停止せざるを得なくなりました。1974年には新たなメンバーで活動を再開し、よりジャズ色を強めたアルバム『復活』をリリースしましたが、同年のツアー中に不慮の事故に見舞われ、バンドの命運は絶たれました。

不幸な事故とその影響

1974年8月9日、チェイスのメンバーはツアーのために移動中に航空機事故に遭遇し、ビル・チェイスを含む4名が命を落としました。ビルは39歳での突然の死を迎えることとなり、音楽シーンに大きな衝撃を与えました。生き残ったメンバーは、新たなバンド「サバイバー」を結成し、映画『ロッキー3』のテーマ曲「アイ・オブ・ザ・タイガー」を手掛けるなど、新たな道を歩み始めました。

日本での影響

日本においては、チェイスの「黒い炎」は特に大ヒットを記録し、アーティストや作曲家に多くの影響を与えました。和田アキ子がカバーをするなど、彼らの音楽が広まり、様々な形で日本の音楽に取り入れられました。また、「ボッチャワ」は日本テレビの番組で使用され、シングルとしてもリリースされています。

ディスコグラフィ

• - 『追跡』 - Chase (1971年、Epic)
• - 『ギリシャの神々 (エニア)』 - Ennea (1972年、Epic)
• - 『復活』 - Pure Music (1974年、Epic)
• - その他のアルバム: Watch Closely Now (1977年)、Listen To Her Sing (1996年) など。

チェイスの音楽とその歴史は、今もなお多くの音楽ファンの記憶に残っています。彼らの創造的な影響は、サウンドだけでなく音楽シーンにおける革新や変化をもたらしました。

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