チェス (ミュージカル)

ミュージカル『チェス』

『チェス』（原題: Chess）は、冷戦時代をテーマにしたミュージカル作品です。ABBAのメンバーであったベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが作曲、作詞はティム・ライスが担当しました。チェスの世界選手権を舞台に、アメリカ人とロシア人の対立、そしてその中で繰り広げられる愛と裏切りを描いています。

誕生とコンセプトアルバム

1984年、ミュージカル初演に先駆けてコンセプト・アルバムがリリースされ、大きな話題を呼びました。このアルバムからは、マレー・ヘッドが歌う「ワン・ナイト・イン・バンコック」がシングルカットされ、英米で大ヒットを記録。さらに、エレイン・ペイジとバーバラ・ディクソンによるデュエット曲「アイ・ノウ・ヒム・ソー・ウェル」もイギリスで大ヒットとなりました。ローリング・ストーン誌やタイム誌など、多くのメディアから絶賛され、全英ヒットチャートで10位、全米ビルボードで47位を記録しました。

各国での上演

1986年にはロンドンのウェスト・エンドで初演され、その後3年間上演されました。1988年にはアメリカのブロードウェイでも上演されましたが、脚本や音楽が大幅に変更されたため、2ヶ月で終了しました。その後、演出に様々な変更が加えられながら、アイルランド、エストニア、オーストラリア、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、南アフリカ共和国など世界各国で上演されています。

2008年にはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでコンサート形式で上演され、アダム・パスカル、イディナ・メンゼル、ジョシュ・グローバンといった豪華キャストが出演しました。

日本での上演

日本では2012年に『Chess in Concert』としてコンサート形式で初演され、2013年には一部変更を加えて再演されました。2015年には『Chess the Musical』としてミュージカル形式で日本初演を迎えました。コンサート形式での初演から、演出・訳詞は荻田浩一が担当しています。

2020年には日英キャスト版として、台本を一新した公演が行われ、ルーク・ウォルシュ、サマンサ・バークス、ラミン・カリムルーらが出演しました。

主な登場人物

フレデリック・トランパー: アメリカ人チェスプレーヤー
フローレンス・ヴァッシー: フレデリックの恋人
アナトリー・セルゲイフスキー: ロシア人チェスプレーヤー
モロコフ: ロシア側の人物
審判員: チェスの試合を司る
スヴェトラーナ: アナトリーの妻

キャスト情報

各プロダクションのキャスト情報は以下の通りです。

コンセプト・アルバム: マレー・ヘッド、トミー・ショールベリ、エレーン・ペイジ、デニス・クイリー、ビョルン・スキフス、バーバラ・ディクソン
ウェスト・エンド プロダクション (1986年–1989年): マレー・ヘッド、エレーン・ペイジ、トミー・シェルベリ、ジョン・ターナー
ブロードウェイ プロダクション (1988年): フィリップ・カズノフ、ジュディ･クーン、デイヴィッド・キャロル、ハリー・ゴッツ
ロイヤル・アルバート・ホール Chess in Concert (2008年): アダム・パスカル、イディナ・メンゼル、ジョシュ・グローバン、ケリー・エリス
日本版キャスト (2020年日英キャスト版): ルーク・ウォルシュ、サマンサ・バークス、ラミン・カリムルー、佐藤隆紀、エリアンナ、増原英也

外部リンク

Chess - インターネット・ブロードウェイ・データベース（英語）
2010年チェス公式サイト （英語）
ミュージカル“チェス”日本初演公式サイト

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