チェス・オリンピアード

チェスオリンピアード

チェスオリンピアードは、1924年から国際チェス連盟（FIDE）によって開催されている、世界各国の代表チームが参加するチェスの団体戦です。近年は2年ごとに偶数年に開催されていますが、第二次世界大戦前には毎年開催されていた時期もありました。政治的な理由により、1936年と1976年にはFIDE主催ではない非公式な大会も開催されています。

チェスは多くの国でスポーツとして認識されていますが、オリンピック競技としては採用されていません。FIDEは国際オリンピック委員会（IOC）のメンバーであり、IOCのルールに則って競技を行っていますが、チェスが将来オリンピックの正式種目になるかどうかは不透明です。一方で、アジア大会では2010年と2014年に公式種目として採用されました。

2020年のチェスオリンピアードはロシアのハンティ・マンシースクで開催される予定でしたが、COVID-19の影響で2021年に延期され、開催地もモスクワに変更されました。さらに、2022年はベラルーシのミンスクでの開催が予定されていましたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、インドのチェンナイへと変更されました。

ルール

チェスオリンピアードには、男女問わず参加できる「オープン」部門と、女性のみが参加できる「レディース」部門の2つの部門があります。どちらの部門でも、以下のルールが適用されます。

FIDEに加盟している国であれば、どの国でも参加資格があります。
チームは4人の選手と1人のリザーブ選手で構成されます。
大会はスイス式トーナメントで11回戦が行われます。12日間の開催期間中に、6回戦終了後に1日の休憩日が設けられます。
各チームは1日に4つの対局を行い、それぞれの選手が1人の相手と対戦します。
持ち時間は40ムーブまで90分、40ムーブ終了後に30分追加されます。また、初手から1ムーブごとに30秒が加算されるフィッシャーモードが採用されます。
各対局の結果に応じて、勝利＝2点、引き分け＝1点、敗北＝0点の勝ち点が与えられ、最終的に最も多くの勝ち点を獲得した国が優勝となります。
オープン部門の優勝国には「ハミルトン・ラッセル杯」、レディース部門の優勝国には「ヴェラ・メンチク杯」、両部門を合わせた成績で争われる複合クラスの優勝国には「ノーナ・ガプリンダシュヴィリ・トロフィー」が贈呈されます。

男子大会の成績

男子大会では、過去にソビエト連邦などの共産主義国やアラブ諸国が政治的な理由で参加を見送ったことがありました。また、COVID-19パンデミックの影響で、2020年と2021年にはオンラインでのオリンピアードが開催されました。2020年のオンライン大会では、インドチームのメンバーが接続問題に見舞われたため、ロシアとインドが共同優勝となりました。2022年の大会は、当初ミンスクで開催予定でしたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響でチェンナイに変更されました。

個人成績

個人成績は、オリンピアードに4回以上参加した選手のみが対象です。国名はIOCの3文字コードで表示され、メダルはチームではなく個人に授与されます（金、銀、銅の順）。

脚注

第37回大会までは、ゲームポイント（全対局の結果の合計）で順位が決まっていましたが、第38回大会からはチームポイント（4局中、勝ち越しで2点、引き分けで1点、負け越しで0点）で順位が決まるようになりました。

外部リンク

FIDE Handbook: Chess Olympiad - 公式ルール
FIDE Handbook: Children's Olympiad - 公式ルール
OlimpBase: the encyclopaedia of team chess - 各大会の結果と概要
Men's results summary
Women's results summary
Children's Chess Olympiad and results
チェス・オリンピアード'>Student Chess Olympiad - World Student Team Chess Championship - 学生チェス・オリンピアード
チェス・オリンピアードの公式サイト'>37e Olimpiadi degli Scacchi - Torino 2006 - 第37回チェス・オリンピアードの公式サイト
ドレスデン大会結果サイト'>Dresden 2008　- 第38回ドレスデン大会結果サイト
ドレスデン大会日本代表チーム結果サイト'>Japan National Team at Dresden - ドレスデン大会日本代表チーム結果サイト

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