チェリー (パチスロ)

パチスロにおけるチェリーとは

パチスロにおけるチェリーとは、通常、1つのリールのみで入賞が確定する小役の総称です。図柄にはサクランボが用いられることが多く、これが名称の由来となっています。

チェリーの概要

パチスロの黎明期から、サクランボの図柄は1リール確定の小役として広く使われてきました。そのため、サクランボの図柄がなくても、1リールで入賞が確定する小役は「チェリー」と呼ばれることがあります。多くの機種では、左リールの上段、中段、下段のいずれかにチェリーが停止することで入賞となり、払い出しを受けられます。

5ライン機の場合、上段または下段にチェリーが停止すると、上段と右下がり、または下段と右上がりの2ラインで入賞となり、配当は2倍になります。例えば、チェリーの配当が2枚であれば4枚が払い出されます。しかし、中段に停止した場合は中段のみの1ライン入賞となるため、払い出しは2枚となります。

チェリーの種類

チェリーには、停止位置によっていくつかの種類があります。

角チェリー: 上段または下段に停止した場合
中段チェリー（中チェリー）: 中段に停止した場合

また、停止するリールの数によっても種類が分かれます。

単チェリー: 左リールのみにチェリーが停止し、中リールにチェリーが停止しないもの
2連チェリー: 中リールにもチェリーが停止したもの
3連チェリー: 右リールにもチェリーが停止し、一直線上に並んだもの

機種によっては、中段チェリーや単チェリーに特別な特典が付加されている場合があります。

チェリーの役割の変遷

チェリーの役割は、パチスロの歴史とともに変化してきました。

2号機、3号機

初期の機種では、バニーガールやコンチネンタルなどで、リーチ目としての役割を果たしていました。

4号機

小役カウンターが搭載された4号機からは、単なる小役となり、特別な意味合いは薄れました。しかし、小役回収打法を行うプレイヤーにとっては、重要な要素でした。

AT機

シングルボーナスなどが搭載されたAT機では、中段チェリーがプレミア的な役割を果たすことが多くありました。例えば、アントニオ猪木という名のパチスロ機では、中段チェリーの出現率が低い代わりに、出現するだけでATが確定するなどの特典がありました。

ストック機

ストック機全盛期には、中段チェリーがボーナス放出の契機になることが多くありました。しかし、出現率が低く、プレミア的な存在でした。

5号機

重複フラグが可能な5号機では、中段チェリーが高確率でボーナス同時当選となる場合が多くなりました。また、4ライン機では払い出しの対象にならないものの、4号機の0枚小役のような役割を果たすこともあります。ART機やAT機では、確定役であることが多いです。

特色のある機種

チェリーの配置や役割には、機種ごとに様々な工夫が凝らされています。

セブンリーグ: チェリーが2段連続して配列されているが、同時に枠内に止まることがないリール制御。
アドベンチャー: 左リールのみで入賞が確定する小役がチェリーとは別の絵柄で、チェリーがらみの小役は3リール確定。
クレイジーチェリー: 入賞の対象が左リールではなく中リールになっている。
ウルトラマン倶楽部3: 2種類のチェリーがあり、それぞれが別フラグ。
アステカ: 2種類のチェリーが連続して配置され、1つの大きな円形の絵柄に見えるようになっている。

5号機以降の機種では、新世紀エヴァンゲリオンのように入賞の対象が右リールになっているものや、キューティーハニーのように1ライン機でチェリーとは別の絵柄が1リール確定の小役になっているものなどがあります。

チェリーの歴史

スロットマシンの絵柄にフルーツが登場したのは、リバティ・ベル・ガム・フルーツが最初です。しかし、この機種にはチェリーは含まれていませんでした。チェリーが登場したのは、同年に発売されたオペレーターズ・ベルで、「スペアミントの葉」が「チェリー」に置き換えられたのが始まりです。

その他

現在では当たり前となっている「1リールのみで入賞が確定する小役」は、かつては特許になっており、一部のメーカーしか使用できませんでした。また、4号機初期までは、入賞総数の規制により、チェリーは必ず取りこぼしの生じる小役でした。

まとめ

パチスロにおけるチェリーは、時代とともに役割を変えながら、常に重要な要素であり続けています。機種ごとの特徴を理解することで、より深くパチスロを楽しめるでしょう。

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