チェリーブラッサム

チェリーブラッサムについて

「チェリーブラッサム」は、1981年に松田聖子の4枚目のシングルとしてCBS・ソニーから発売されました。この楽曲は、当初のアナログ盤には特別な重厚感を持つブルーレーベルが採用されており、その後はオレンジレーベルの通常版も存在しました。さらに、1989年には8cmCDとしてのリリースが、2004年には紙ジャケット仕様の完全生産限定盤が登場し、2010年にはデジタル・リマスタリング音源がBlu-spec CDとして再発されるなど、長い間愛され続けています。

制作背景

この曲の作曲は、小田裕一郎から財津和夫に引き継がれました。プロデューサーの若松宗雄によると、新しいことへの挑戦が重要であり、それが良い作品を生み出すという信念のもとに制作が行われたとのことです。財津は、従来の歌謡曲とは異なり、「新しくはないが進んだメロディー」を作り上げることを目指しましたが、松田聖子はその新しいスタイルに最初は戸惑いました。歌い慣れたアイドル的な曲調から外れたことで、初めてのレコーディングが2日間にわたるほどの苦労を伴ったと言います。

松田は「これで自分は終わった」と思うほどの不安を抱えながらも、若松の説得を受け入れ、その後この曲がヒットしたことにより、自らの歌唱力への理解を深める結果となりました。彼女は後のインタビューでこの曲を高く評価し、愛着を持っていると答えています。

また、曲名が「チェリーブロッサム」と呼ばれる理由は、長調が似合うと若松が考えたからとされています。意外なことに、歌詞には「チェリーブラッサム」や「桜」という言葉が一切含まれていないのも本曲の大きな特徴です。

テレビ出演

この楽曲の印象的な瞬間の一つは、1981年3月26日の『ザ・ベストテン』における生中継出演です。松田は国鉄静岡駅のプラットフォームから名古屋へ向かう新幹線に乗り込み、到着後すぐにイヤーモニターを耳に付けて歌い始めました。電車の出発時間が迫る中でも、ワイヤレスマイクを持って歌い続け、運ばれるように終わるという演出は視聴者に強い印象を与えました。

収録内容

「チェリーブラッサム」の収録曲は以下の通りです。全ての作詞は三浦徳子によるもので、編曲は大村雅朗が担当しました。

• - チェリーブラッサム（3:21）

- 作曲：財津和夫

• - 少しずつ春（3:29）

- 作曲：小田裕一郎

松田聖子は2021年に発表したアルバム「SEIKO MATSUDA 2021」で、「チェリーブラッサム2021」という新しいアレンジを収録しました。

カバー版

この名曲は多くのアーティストにカバーされています。例えば、2007年にはキンモクセイがアルバム『さくら』に収録、さらにイギリスのバンドSNUFFのダンカン・レッドモンズも自らのプロジェクト名義で同曲を披露しました。他にも、武藤彩未や古川慎など、様々なアーティストがこの楽曲をカバーし、多様性を博しています。

まとめ

「チェリーブラッサム」は、松田聖子のキャリアの中で特に重要な曲であり、過去と現在をつなぐ架け橋のような存在です。その深い歌詞や印象的なメロディは、多くの人々に愛され続ける理由の一つです。また、カバーされることでこの楽曲の魅力は新たに再発見され、時代を超えた普遍的な人気を保っています。

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