チコマート

チコマート（CICO MART CO., LTD.）の歴史と事業展開

チコマートは、1983年に伊藤忠燃料（現在の伊藤忠エネクス）の事業部から誕生した小売業者であり、主にコンビニエンスストアやスーパーマーケット、飲食店の運営を行っていました。会社設立当初はミニスーパーチェーンとしてのスタートを切り、その後多くの店舗を展開しました。1998年には分社化し、株式会社チコマートとして新たな歩みを始めますが、その草創期の苦労が後に暗い影を落とすことになります。

会社設立

チコマートは1983年10月に大分県の大分食品協同組合から大分SGチェーンの24店舗を買収する形で設立されました。その後1984年5月には、大阪市生野区に1号店を開店し、次第に大阪地区への出店を進めていきます。さらに、同年9月には群馬県において既存のミニスーパーを買収し、一気に29店舗をオープンしました。

1993年には首都圏に本格的に進出し、東京チコマート株式会社を設立。12月には「チコマート立花店」を開店し、さらなる事業拡大を図ります。1995年には大阪のKマートの一部店舗を継承し、新たな展開を見せました。コンビニ「チコマート井土ケ谷店」のオープンを通じて、首都圏での競争力を強化していきます。

分社化と成長

1998年4月には伊藤忠燃料から独立して株式会社チコマートが設立され、事業運営は新しい形にシフトしました。しかし、2001年には伊藤忠エネクスが当社株式を売却し、一時的に経営の厳しさが増します。2002年にはキョウデングループの傘下へと移行するも、業績は思わしくなく、2002年3月期にはキョウデンが初の赤字に直面します。

2003年にはマネジメント・バイ・アウト（MBO）により、チコマートはキョウデングループから独立。この年に社長となった十枝利樹は、独自の店舗設計を求め、会社を買い取る決断をします。業績は改善していくものの、2005年10月に倒産する運命を辿ります。

倒産とその後

チコマートは2005年に破産を申請し、多くの店舗が閉店する結果となりました。ただ、その後もチコマートの名称を用いた個人経営の店舗は存在し、地域に根ざした運営を続けているところもあります。これにより、企業名が消え去ることはなく、一部の顧客には親しまれた存在であり続けています。

子会社と関連業態

チコマートがその傘下に持っていた主な子会社には、東京チコマート株式会社や関西チコマート株式会社、株式会社ショップアンドライフ、株式会社太公などがあります。関西チコマート株式会社は、キョウデングループ傘下時代に株式会社九九プラスに買収され、業態の変更が行われました。

さらに、チコマートの飲食部門は、後にエムグラントフードサービスとして独立し、ステーキやハンバーグなどの飲食業を展開するようになります。こちらは元々チコマートの外食部門だったことからも関連性が伺えます。

まとめ

チコマートは、日本の小売業界において一時代を築いた企業でしたが、経営の変遷とともにさまざまな苦境に直面しました。その歴史は多様な教訓を含んでおり、現在でもその名前を冠した店舗が地域に存在することは、企業の影響力を証明するものと言えるでしょう。

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