チップス先生さようなら (1969年の映画)

チップス先生さようなら (1969年の映画)

『チップス先生さようなら』（Goodbye, Mr. Chips）は、1969年に公開されたアメリカとイギリス合作のミュージカル映画です。ジェームズ・ヒルトンの同名小説を原作とし、1939年にも映画化された物語の2度目の映画化となります。ハーバート・ロスの監督デビュー作であり、主演のピーター・オトゥールは、第27回ゴールデングローブ賞主演男優賞と1969年度ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 男優賞を受賞しました。

ストーリー

物語は、イングランド南部の小さな町ブルックフィールドにあるパブリックスクール「ブルックフィールド・スクール」を舞台に展開されます。主人公は、そこで教師として働くアーサー・チッピング、通称「チップス先生」。彼は熱心な教師でしたが、生真面目な性格が災いし、生徒たちからは必ずしも人気があるとは言えませんでした。

夏休みを利用してイタリアへ旅行に出かけたチップスは、ロンドンでミュージカル女優のキャサリンと運命的な出会いを果たします。その後、ポンペイの遺跡で再会した二人は恋に落ち、ブルックフィールドへと戻ります。

チップスの傍らにいる華やかなキャサリンの姿は、学校中に大きな驚きをもたらしますが、彼女はすぐに学園の人気者となります。しかし、学校の有力者であるサタウィック卿は、二人の関係を快く思わず、校長にチップスを学校から追い出すよう圧力をかけます。キャサリンは身を引こうとしますが、チップスの深い愛に支えられ、二人は共に生きることを決意します。キャサリンの明るい人柄は、生徒たちにも良い影響を与え、チップス先生が生徒思いの教師であることに気づかせていきます。

やがて第二次世界大戦が勃発。キャサリンは女優として空軍の慰問活動に参加しますが、チップスの校長就任を知ることなく、ドイツ軍のV1飛行爆弾による空襲によって命を落としてしまいます。

終戦後、チップスは長年の教師生活を終え、退任します。学園の近くに住み続けた彼は、若い生徒たちや愛する妻キャサリンとの思い出に包まれながら、静かに余生を過ごすのでした。

キャスト

アーサー・チッピング（チップス先生）：ピーター・オトゥール
キャサリン：ペトゥラ・クラーク

使用楽曲

レスリー・ブリッカスが作詞・作曲、ジョン・ウィリアムズがスコアと指揮を担当しました。

序曲 (オーケストラ演奏、ジョン・ウィリアムズ指揮)
テーマ曲：世界を愛で (少年合唱、オーケストラ演奏)
私の幼年時代はどこへ (ピーター・オトゥール)
ロンドンはロンドン (ペトゥラ・クラーク)
空もほほえむ (ペトゥラ・クラーク)
アポロ (ペトゥラ・クラーク)
大人になれば (少年合唱)
二人で歩むこの世界 (ペトゥラ・クラーク)
世界を愛で (ペトゥラ・クラーク、少年合唱)
Entr'Acte/What Shall I Do With Today? (ペトゥラ・クラーク、オーケストラ演奏)
What a Lot of Flowers (ピーター・オトゥール)
What a Lot of Flowers (反復) (ピーター・オトゥール)
空もほほえむ (反復) (ペトゥラ・クラーク)
学校時代 (ペトゥラ・クラーク、少年合唱)
あなたと私 (ペトゥラ・クラーク)
Fill the World With Love (Reprise) (ピーター・オトゥール、少年合唱)
エンディング：あなたと私 (オーケストラ演奏)
なつかしき青春 (ピーター・オトゥール) (サウンドトラックにのみ収録)

これらの楽曲の一部は、CD「『ボーイフレンド / チップス先生さようなら』オリジナル・サウンドトラック」に収録されています。

関連作品

『チップス先生さようなら』 - ジェームズ・ヒルトンによる1934年の小説。
『チップス先生さようなら』 - 1939年製作の映画。
* Goodbye, Mr. Chips - 1970年6月発行のコミック本。

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