チネチッタ (川崎市)

チネチッタ：川崎のエンターテイメントを彩る複合施設

チネチッタは、神奈川県川崎市川崎区に位置するシネマコンプレックスであり、同施設を運営する株式会社チネチッタの名称でもあります。その名前は、イタリアの首都ローマにある有名な映画撮影所「チネチッタ」に由来しています（イタリア語で「チネ」は映画、「チッタ」は街を意味します）。

歴史

チネチッタの運営会社であるチッタエンタテイメントは、1922年に「美須興行」として創業しました。創業者である美須鐄は、日暮里駅前に娯楽施設を建設し、映画館「第一金美館」を開業。その後、金美館チェーンを拡大し、1937年には川崎駅東口に「川崎銀星座」を開業。映画館を中心とした繁華街を形成し、臨海地域で働く人々の憩いの場となりました。

太平洋戦争末期の空襲で映画館街は焼失しましたが、戦後、銀星座の再建を機に映画館街の拡大が進められました。キャバレーやボウリング場なども開業し、川崎駅前に一大娯楽エリアを築きました。かつて松竹蒲田撮影所があった蒲田にも映画館を設け、「ミスタウン」として親しまれていました。

1985年、川崎映画街の再開発事業が始まり、1987年にチネチッタとして再オープン。複数の映画館を1つのビルに収容し、シネマコンプレックスに近い形態となりました。その後、周辺に競合施設が増加したため、ボウリング場などを閉鎖し、大規模な改築を実施。2002年に「ラチッタデッラ」として生まれ変わり、現在の姿に至ります。

現在の施設

現在のラチッタデッラは、12スクリーンの映画館「チネチッタ」を中心に、ショッピングエリア「マッジョーレ」、店舗エリア「ビバーチェ」、ライブハウス「クラブチッタ」、フットサルコート「アレーナチッタ」などで構成されています。

チネチッタは、他のシネマコンプレックスが川崎に進出する中でも、年間動員数・興行収入で全国トップクラスを誇りました。また、総座席数でも国内最多を記録し、映画館ビルとしても有数の規模を誇っています。

その人気から、東京や大阪以外の映画館では珍しく、舞台挨拶などのイベントも頻繁に開催されています。

施設詳細

エントランス: マッジョーレの2階にあり、チケット窓口と自動発券機は1階にあります。

ガラスタワー: 施設のシンボルとして、円柱型のガラスタワーがそびえ立ち、夜間には美しいイルミネーションが点灯します。

チケット売場: マッジョーレ1階にあり、対面カウンターと自動券売機が設置されています。座席は指定席で、スタッフに希望を伝えて座席を選択します。

チネット自動発券機: 事前にインターネット予約したチケットを発券する装置です。

売店: 映画館定番の飲食物に加え、焼き立てパンなどのオリジナルメニューも提供しています。2階と4階に売店があります。

チネチッタグッズショップ: 映画パンフレットやキャラクターグッズなどを販売しています。

スクリーン: 12のスクリーンがあり、全スクリーンでデジタル7.1chサウンドを楽しむことができます。

旧施設

開業当初のチネチッタは、現在のビバーチェがある場所に位置していました。8つのスクリーンとモダンな外観が特徴で、ドラマのロケ地としても利用されました。

また、旧川崎グランド劇場は、神奈川県内最大級のスクリーンを持つ映画館でしたが、現在は解体され、フットサルコートになっています。

音響設備

LIVEZOUND: クラブチッタ監修による音響システムで、高品質なサウンド体験を提供します。

LIVEサウンド: ライブハウスのような迫力を目指した音響システムです。

サービス

チネクラブ: 会員サービスで、鑑賞ごとにポイントが貯まり、無料鑑賞クーポンと交換できます。インターネット予約やキャンセルも可能です。

チネット: インターネットで事前にチケットを購入できるサービスです。

映画半券サービス: 映画の半券を提示すると、ラチッタデッラの店舗で優待が受けられます。

パーキングサービス: 映画の半券と駐車券を提示すると、駐車場料金が割引されます。

ラ・チッタデッラ・シンフォニー: 噴水ショーで、映画音楽と美しい水の演出を楽しめます。

アクセス

JR川崎駅から徒歩5分、京急川崎駅から徒歩7分。

まとめ

チネチッタは、映画館としての機能だけでなく、川崎のエンターテイメントの中心地として、多岐にわたるサービスと施設を提供しています。その歴史と進化は、川崎の街の発展とともに歩んできたと言えるでしょう。

もう一度検索