小惑星チャイナ (1125 China) の概要
小惑星チャイナは、
太陽系内の
火星と
木星の間に存在する
小惑星帯に属する天体です。この
小惑星は、
楕円軌道を描いて太陽の周りを公転しています。
中国語での表記は「
中華」です。
命名の経緯
小惑星チャイナの名前「China」は、
英語での
中国の表記に由来しています。この命名には、歴史的な背景と誤認が複雑に絡み合っています。
1928年、
中国の天文学者である張鈺哲(ちょう ぎょくてつ、Zhang Yuzhe、1902年 -
1986年)によって、
小惑星1928 UFが発見されました。張はこの
小惑星を「
中国」と命名しました。しかし、その後、1928 UFは長らく観測されなくなり、軌道が確定しなかったため、
小惑星番号は登録されませんでした。現在では、軌道が確定し
小惑星番号が登録されない限り、命名は認められないため、このような事態は起こりえません。
1957年、
中国南京にある
紫金山天文台によって、
小惑星1957 UN1が発見されました。この時、発見者たちは「1928 UFを再発見した」と誤認し、張鈺哲がかつて命名した「
中国」をそのまま使い、「1125 China」として登録しました。
ところが
1986年、1928 UFが本当に再発見され、
1957年の再発見は誤りであったことが判明しました。しかし、すでに「China」の名称は1957 UN1に登録されていたため、本来の「
中国」であった1928 UFには、
中国語の
標準語である
北京語(マンダリン)での
中国(ツォングオ)のローマ字表記 (Zhōng guó) を使用し、「3789 Zhongguo」と命名されることになりました。
まとめ
このように、
小惑星チャイナの命名は、天文学的な発見と誤認、そして命名規則の変更といった、様々な要素が絡み合って成立しています。この経緯は、天文学の歴史における興味深い一例と言えるでしょう。
出典
JPL Small-Body Database Browser: 1125 China(
英語)
関連項目
小惑星の一覧 (1001-2000)
中国 (
小惑星)
外部リンク
チャイナの軌道(JPL・HPより 英語版)