チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3：新たな妖しき物語

『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3』は、1991年公開の香港映画で、人気シリーズの前作・前々作から100年後の世界を描いた外伝作品です。前シリーズで活躍した千年樹の妖怪・ロウロウは、かつて道士に重傷を負わされ、妖力を失っていました。しかし、時は流れ、今作では妖力を完全に取り戻し、再び人々の精気を狙う存在として復活します。

物語は、老僧・白雲とその弟子フォンが、黄金の仏像を大国寺に届ける旅から始まります。二人は旅の途中で、道士のインと出会います。郭北県で仏像の存在を知られてしまった彼らは、危険を感じ、蘭若寺へと急ぎます。しかし、ならず者たちが仏像を狙って追跡を開始します。

ならず者たちは、森の中に立つ屋敷にたどり着きます。そこは、妖力を回復したロウロウの住処であり、彼女の配下である幽霊たちが、人々の命を狙っていました。フォンは、ロウロウの側女であるシュ・チェに誘惑されますが、僧侶の戒律を守るため、その誘惑を振り切ろうとします。

一方、白雲は、その身に宿る様々な術と宝杖や数珠を用いて、ロウロウとその配下と対峙します。また、豪胆で金銭にうるさい性格のインは、大剣や飛剣、そして飛行甲冑を駆使し、妖怪たちと激しい戦いを繰り広げます。彼は、ロウロウの側女であるシュ・チェとシュ・デップにも魅力を感じますが、あくまで禁欲の戒律に縛られない自由な道士として振る舞います。

フォンは、赤ん坊の時に寺の前に捨てられていた孤児で、白雲に拾われて育てられました。修行中である彼は、戦闘能力は低く、お経を唱えることしかできません。それでも、師匠である白雲と、そして出会った人々を守るため、彼は勇気を出して戦いに身を投じていきます。

ロウロウは、かつての強大な妖力に加え、より多くの配下を従えるようになり、その存在感はシリーズの中でも際立っています。彼女の側女であるシュ・チェとシュ・デップは、それぞれ異なる個性と能力を持ち、ロウロウの目的のために協力します。シュ・チェは、フォンを誘惑し、ロウロウが精気を奪うのを手助けしようとします。一方、シュ・デップは、鋭い爪を使って敵を攻撃します。

この作品は、前作までの登場人物とは異なる新たなキャラクターたちが活躍する、シリーズ外伝作品として高い評価を受けています。前作・前々作に登場したイン道士と同姓同名のインは、本作では全くの別人であり、亡き武道の達人の名を名乗っています。その達人が、前作のインと同一人物かどうかは、明かされていません。

『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3』は、美しい映像とスリリングなアクション、そして心に残る物語で、多くの観客を魅了しました。シリーズファンはもちろん、初めて観る人にも、その魅力が十分に伝わる作品と言えるでしょう。 壮大なスケールと、個性豊かなキャラクターたちの織りなすドラマは、観る者を幽玄の世界へと誘います。様々な困難や試練を乗り越え、登場人物たちが成長していく姿は、感動と興奮を与えてくれます。 そして、妖しい美しさと恐怖が共存する世界観は、忘れられない体験となるでしょう。

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