チャランゴ

チャランゴ

チャランゴ（スペイン語: charango）は、南米アンデス地方に起源を持つ弦楽器であり、その魅力的な音色と形状から、民族音楽やフォルクローレの演奏に欠かせない存在となっています。一般的に、チャランゴは40から60センチメートルのサイズで、マンドリンと似たフォルムをしています。特に特徴的なのは、弦楽器の胴体が丸底であることが多く、プロの演奏家が使用する楽器は主に木材で作られています。

この楽器の起源は、スペイン人によって16世紀に持ち込まれたビウエラ・デ・マノから発展し、ボリビアのポトシ北部地方が発祥とされています。ひとつの特徴として、胴体にアルマジロの甲羅を用いたものがあり、その独特な見た目は印象的ですが、木製のものが主流です。

チャランゴは通常5コース10弦で構成されており、上から低音弦側に向けて「ソドミラミ」と調弦されます。特に真ん中の3コースにあたるミの弦はオクターブ差に調弦されており、そのため高音と低音の音域が非常にユニークです。この調弦は、C/Am（ハ長調とイ短調）のキーに合わせて考案されており、親指と人差し指で二重奏を奏でる際に適しています。

現在のチャランゴの形を完成させたのは、ボリビアの有名な演奏家マウロ・ヌニェス（1902年-1973年）とされています。その後、エルネスト・カブール（1940年-2022年）が商業音楽の世界に広めました。その他にも、チャランゴの名手としてウィリアム・エルネスト・センテージャスやアレハンドロ・カマラ、クラルケン・オロスコといったボリビア人奏者が活躍しています。また、アルゼンチンのハイメ・トーレスの名も知られています。

日本においても、チャランゴを演奏する奏者たちがいます。宍戸誠やToyo草薙、福田大治、桑原健一、島田静江、佐野一弦（貴志）といった名前が特に有名です。これらの奏者たちは、チャランゴの魅力を広め続けています。

チャランゴのファミリーとも言える楽器には、ロンロコ（Ronrroco）やウァライチョ（Huaraycho）があります。ロンロコはチャランゴよりも大型の楽器であり、ギターの中間音域を演奏するのに適しています。一方で、ウァライチョはチャランゴよりも小型で高音を担当しますが、一般的にチャランゴほど広く普及しているわけではありません。ロンロコの調弦は、1コースと2コースがオクターブ差となっています。

チャランゴの起源であるポトシ北部地方では、コンコータやカランペアードなど、チャランゴの原型となった楽器が多く存在します。その多くは鉄弦が使われており、ナイロン弦主流のチャランゴとは異なる音色を持っています。

音楽の多様性や豊かさを感じられるチャランゴは、アンドean文化の重要な一部であり、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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