チャンドリカ・クマーラトゥンガ

チャンドリカ・バンダラナイケ・クマーラトゥンガ：激動のスリランカを率いた女性大統領

チャンドリカ・バンダラナイケ・クマーラトゥンガ（Chandrika Bandaranaike Kumaratunga、1945年6月29日 - ）は、スリランカの政治家であり、第5代大統領（1994年 - 2005年）を務めました。

生い立ちと経歴

クマーラトゥンガは、パリ大学で開発経済学、政治学を学びました。1974年にはスリランカ自由党 (SLFP) 婦人連盟執行委員に、1986年にはスリランカ人民党 (SLMP) 総裁に就任し、政治家としてのキャリアをスタートさせました。1994年8月には首相に就任し、世界初の「母娘首相」として注目を集めました。

大統領として

1994年11月、クマーラトゥンガは大統領に就任。スリランカの大統領任期は6年ですが、1999年に大統領選を実施し再選を果たしました。しかし、2期目の任期について解釈の相違が生じ、最高裁判所の判断により、2005年12月21日に任期が終了しました。

当時、スリランカでは大統領の3選は禁止されていましたが、後に憲法改正により撤廃されました。

クマーラトゥンガ政権下では、犯罪増加への対策として、一時的に死刑制度の復活が検討されました。1999年3月には「今後、大統領は死刑判決を自動的に減刑しない」という政府発表も行われました。2004年には高等裁判所判事殺害事件を機に死刑復活を求める世論が高まり、クマーラトゥンガ自身も死刑制度の復活を発表しました。

また、大統領在任中の2004年12月18日には、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) による暗殺未遂事件に遭遇し、右目の視力を失うという悲劇に見舞われました。この事件以降、クマーラトゥンガはLTTEに対し強硬な姿勢で臨むこととなりました。

2005年11月19日、クマーラトゥンガは大統領を辞任。後継者としてマヒンダ・ラージャパクサを指名し、自身はスリランカ自由党党首の座を譲りました。ラージャパクサは大統領選で勝利し、後を継ぎました。

家族

クマーラトゥンガの家族は、スリランカの政治史において重要な役割を果たしています。母親のシリマヴォ・バンダラナイケは世界初の女性首相であり、父のソロモン・バンダラナイケはスリランカ自由党の創立者です。しかし、父と夫のヴィジャヤ・クマーラトゥンガは、それぞれ1959年と1988年に暗殺されています。姉のスネトラはフィランソロピストとして活動し、弟のアヌラはスリランカ国会の議長および外務大臣を務めました。

まとめ

チャンドリカ・バンダラナイケ・クマーラトゥンガは、激動の時代にスリランカを率いた女性政治家です。首相、大統領としてスリランカの発展に貢献し、困難な状況にも屈せず、国のために尽力しました。彼女のリーダーシップは、スリランカの歴史に深く刻まれています。

もう一度検索