シリマヴォ・バンダラナイケ

シリマヴォ・バンダラナイケ：世界初の女性首相

シリマヴォ・ラトワッテ・ディアス・バンダラナイケ（1916年4月17日 - 2000年10月10日）は、スリランカの政治史における重要な人物であり、世界で初めて女性として首相の座に就いたことで広く知られています。

生い立ちと結婚

シリマヴォ・ラトワッテは、地主階級の裕福な家庭に生まれました。コロンボにある聖ブリジット修道院で教育を受け、良家の子女として育ちました。1940年、24歳の時に、後にセイロン（スリランカの旧称）の首相となるソロモン・バンダラナイケと結婚しました。ソロモンはスリランカ自由党の創設者であり、彼の政治活動はシリマヴォの人生に大きな影響を与えました。1956年、ソロモンは総選挙で勝利し、首相に就任しました。

政治の世界へ

1959年、夫ソロモン・バンダラナイケが暗殺されるという悲劇に見舞われ、シリマヴォは政治の世界に足を踏み入れることになります。夫の遺志を継ぎ、スリランカ自由党を率いることになった彼女は、1960年の総選挙で勝利し、世界初の女性首相として歴史に名を刻みました。

首相として

シリマヴォ・バンダラナイケは、1960年から1965年、1970年から1977年、そして1994年から2000年までの3度にわたりスリランカの首相を務めました。彼女の政治姿勢は、親ソ連的な外交政策を特徴としていました。また、中国との関係を重視し、中国の協力の下でバンダラナイケ記念国際会議場が建設されました。この会議場は、コロンボにおける重要な国際会議の開催地となり、スリランカの国際的な地位向上に貢献しました。

家族

シリマヴォ・バンダラナイケは、政治家一族の母でもあります。夫のソロモン・バンダラナイケはセイロンの首相を務め、次女のチャンドリカ・クマーラトゥンガはスリランカの大統領を務めました。また、長女のスネトラ・バンダラナイケ、息子のアヌラ・バンダラナイケも政治家として活躍しました。

シリマヴォ・バンダラナイケは、スリランカの政治史において重要な役割を果たしただけでなく、女性の社会進出を象徴する存在として、世界中の女性たちに勇気を与えました。

参考文献

アンジェラ・サイニー 著、道本美穂 訳『家父長制の起源 男たちはいかにして支配者になったのか』集英社〈集英社シリーズ・コモン〉、2024年10月30日。ISBN 978-4-08-737006-5

外部リンク

スリランカ国会 - 歴代首相 （英語）
* 『バンダラナイケ』 - コトバンク

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