チャームクォーク

チャームクォーク

チャームクォーク（記号: c）は、物質を構成する基本的な素粒子の一つであり、第二世代のクォークに属します。

概要

チャームクォークは、+2/3e の電荷を持ち、クォークの中で3番目に質量が大きく、約 1.3 GeVです。これは、核子の質量の約 1.5 倍に相当します。

チャームクォークの存在は、1970年にシェルドン・グラショウ、ジョン・イリオポロス、ルチャーノ・マイアーニによって予見されました。当時、クォークとして知られていたのは、アップクォーク、ダウンクォーク、ストレンジクォークの3種類のみでした。彼らの予測は、いくつかの現象を矛盾なく説明することを可能にするものでしたが、ごく単純に言うと、ミューオン、ミューニュートリノ、ストレンジクォークの関係性が、電子、電子ニュートリノ、ダウンクォークの関係に類似している点に着目し、最初のグループにも、後のグループのアップクォークに相当する粒子が存在するのではないかと考えたのです。そして、もしそれが実際に存在すれば「魅力的(チャーム)」であるという意味を込めて、「チャームクォーク」と名付けられました。

この予測は、[1974年]]にブルックヘブン国立研究所(BNL)のサミュエル・ティン率いるチームと、スタンフォード線形加速器センター(SLAC)のバートン・リヒター率いるチームが、それぞれ独立にチャームクォークと反チャームクォークからなるジェイプサイ中間子]を発見したことで裏付けられました。BNLのチームは新しい[[粒子をJ中間子と名付け、SLACのチームはψ中間子と名付けましたが、名称を統一するための協議が難航したため、妥協案としてJ/ψ中間子が採用されました。このジェイプサイ中間子の発見により、サミュエル・ティンとバートン・リヒターは1976年のノーベル物理学賞を受賞しました。

チャームクォークを含むハドロン

チャームクォークは、他のクォークと結合して、様々な複合粒子（ハドロン）を形成します。

D中間子: チャームクォーク（または反チャームクォーク）と、アップクォークまたはダウンクォークから構成されます。
Ds中間子: チャームクォークとストレンジクォークから構成されます。
チャーモニウム: J/ψ中間子のように、チャームクォークと反チャームクォークの対で構成される中間子は、チャーモニウムと呼ばれます。
チャームバリオン: チャームを持つバリオンは、ストレンジネスを持つバリオンに倣って命名されます（例：Λc粒子）。

関連項目

クォーク
チャーム
チャーモニウム
スーペロン
ハイパー核
丹生潔

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