核子

核子：原子核の構成要素

原子核は、正の電荷を持つ陽子と電荷を持たない中性子から構成されています。これらの粒子をまとめて核子と呼びます。陽子と中性子は、どちらもバリオンと呼ばれる粒子の一種であり、さらに基本的な粒子であるクォークから構成されています。

[陽子]]は2個のアップクォーク]と1個のダウン[クォーク]から、[[中性子は2個のダウンクォークと1個のアップクォークから構成されています。このクォークの組み合わせの違いが、陽子と中性子の性質の違いを生み出しています。

ハイペロンとハイパー核

アップ[クォーク]]とダウンクォークに加え、ストレンジクォーク]を含むバリオンをハイペロンと呼びます。代表的なハイペロンには、Λ[[粒子、Σ粒子、Ξ粒子、Ω粒子などがあります。これらの粒子は、アップクォークとダウンクォークのみからなる陽子や中性子よりも質量が大きく、不安定で短寿命です。

ハイペロンを含む原子核をハイパー核と呼びます。ハイパー核は、通常の原子核とは異なる性質を示し、核物理学の研究において重要な役割を果たしています。

核子の励起状態

核子は、静止状態だけでなく、様々な励起状態を持つことができます。この励起状態は核子共鳴と呼ばれ、クォークのスピンや軌道角運動量の異なる状態として解釈されます。励起状態の核子は、基底状態（通常の陽子や中性子）よりも質量が大きく、平均寿命が短くなっています。

核子共鳴の状態は、質量(M)、[軌道角運動量]、アイソスピン(I)、全角運動量(J)を用いてN(M) L2I2Jという表記で表されます。例えば、通常の陽子や中性子はN(939) P11と表記されます。ここで、939は質量(MeV)、Pは軌道角運動量が0、1はアイソスピン、1は全角運動量を表しています。

多くの核子共鳴が実験的に観測されていますが、Particle Data Groupによってその存在が十分確からしいとみなされている状態のみが信頼できる情報として扱われています。各状態には、陽子のような荷電粒子と、中性子のような中性粒子、そしてそれらの反粒子が存在します。

通常の核子（N(939) P11）は安定であり、自由な中性子のように崩壊することはありません。これは、原子核内部の核子と同様の状態を表しています。

まとめ

核子は原子核の基本的な構成要素であり、その性質や挙動を理解することは、原子核物理学において極めて重要です。核子の種類、構成、励起状態、そしてハイペロンやハイパー核といった関連する概念を理解することで、物質の根源的な性質への理解が深まります。今後の研究により、さらに多くの核子共鳴が発見され、核子の性質に関する理解がさらに進展していくことが期待されます。

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