チャールズ・パーシー

実業家から政治家へ：チャールズ・パーシーの生涯

チャールズ・ハーティング・パーシー（1919年9月27日 - 2011年9月17日）は、アメリカ合衆国の政治家であり、実業家としても名を馳せました。彼は、1949年から1964年までベル・アンド・ハウエル社の社長を務め、その手腕で会社を大きく成長させました。その後、政界に転身し、イリノイ州選出の上院議員（1967年 - 1985年）として活躍、上院外交委員長（1981年 - 1985年）も歴任しました。所属政党は共和党でした。

生い立ちと実業家としての才能

フロリダ州ペンサコラで生まれたパーシーは、幼少期にイリノイ州シカゴへ移住しました。幼い頃から事業に対する才能を示し、その能力は日曜学校の教師であり、ベル・アンド・ハウエル社の社長であったジョーゼフ・マクナブの目に留まりました。当時、ベル・アンド・ハウエル社は小さなカメラ会社でしたが、パーシーは1941年にシカゴ大学を卒業後、同社に入社し、すぐに管理職となりました。第二次世界大戦中にはアメリカ海軍で3年間軍務に就き、1945年に会社へ復帰しました。

パーシーは戦時中にジャンヌ・ディッカーソンと結婚しましたが、彼女は1947年に亡くなりました。その後、3人の子供を連れてロレイン・ガイヤーと再婚しました。1949年、ジョーゼフ・マクナブが死去すると、パーシーはベル・アンド・ハウエルの社長に就任しました。彼のリーダーシップの下、会社の売上高は32倍に、従業員数は12倍に増加し、会社はニューヨーク証券取引所に上場を果たしました。

政界への転身

ドワイト・D・アイゼンハワー大統領の勧めもあり、パーシーは1950年代末に政界入りを決意しました。彼は共和党の長期的な目標を示した著書『より良いアメリカのための決定』に関わり、1960年の共和党全国大会では綱領委員長を務め、党綱領の策定を主導しました。

連邦議会での活動

パーシーの最初の選挙出馬は1964年のイリノイ州知事選でしたが、民主党の現職オットー・ケルナーに敗れました。しかし、1966年の中間選挙で上院議員選に出馬し、民主党の現職議員ポール・ダグラス（パーシーの母校であるシカゴ大学の教授でした）を破り当選しました。この選挙戦中には、パーシーの娘ヴァレリーが自宅で殺害されるという痛ましい事件が発生しました。選挙戦は一時中断されましたが、その後再開されました。ヴァレリー・パーシー殺害事件は現在も未解決のままです。

上院議員として、パーシーは外交、安全保障、通商問題で手腕を発揮しました。特に、上院外交委員会では共和党の代表的な存在として長年活躍しました。彼は穏健派の「ロックフェラー・リパブリカン」に属し、ベトナム戦争を巡ってはニクソン大統領と対立することもありました。1968年と1976年には共和党の大統領予備選への出馬が取り沙汰されましたが、68年にはネルソン・ロックフェラー、76年にはジェラルド・フォードを支持しました。

1981年に共和党が上院で多数派となると、パーシーは上院外交委員長に就任しました。同年4月、レーガン政権はイラン革命の影響を懸念し、アラブ穏健派諸国への支援策として、サウジアラビアへのAWACS5機売却を決定しました。パーシーは上院外交委員長として、この決定を強く支持し、ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領やジェラルド・フォード元大統領とともに議会工作を指揮し、この取引を議会で承認させました。しかし、この件がきっかけでユダヤ系の支持を失うことになりました。

落選とその後

1984年の選挙で、パーシーはポール・サイモン下院議員に敗れました。この落選の背景には、彼のイスラエルに対する批判的な言動や、アメリカ・イスラエル公共問題委員会をはじめとするユダヤ系の圧力団体による落選運動があったとされています。

パーシーは2011年9月17日に91歳で亡くなりました。彼の娘シャロンは、ウェストバージニア州選出の上院議員ジョン・ロックフェラー4世の妻です。パーシーには他に3人の子供がおり、ロジャー（1947年生）、ゲイル（1953年生）、マーク（1955年生）がいます。

パーシーは実業家としての成功に甘んじることなく、政界でも重要な役割を果たしました。彼の生涯は、アメリカ政治史における重要な一ページを刻み、多くの人々に影響を与えました。

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