チュルボメカ アリエル

アリエル（Arriel）は、フランスのチュルボメカ（現在のサフラングループ）が開発した、非常に成功したターボシャフトエンジンです。ヘリコプターの動力として広く利用されており、その信頼性と高性能で知られています。遠心式ガスタービンエンジンを特徴とし、1974年に最初の運転が行われました。

設計と特徴

アリエルは、コンパクトな設計でありながら、高い出力を実現しています。例えば、アリエル1の重量はわずか109 kgで、出力は520 kW (700 hp)を発揮します。この優れた出力重量比が、多くのヘリコプターに採用される理由の一つです。

生産と派生型

2012年時点で、アリエルエンジンは約10,000基が生産されており、その成功を物語っています。また、中国ではアリエルを基に、WJ-8ターボシャフトエンジンとWJ-9ターボプロップエンジンが開発されており、その技術が他国にも影響を与えています。

搭載機

アリエルエンジンは、以下のヘリコプターに搭載されています。

A109
AS365
AS350
EC 145
BK 117
S-76
Z-9
Z-19
KAI LCH/LAH

これらの機種は、アリエルエンジンの信頼性と性能によって、安全かつ効率的な運用を支えられています。

仕様 (アリエル 1)

形式: 2軸式フリータービン・ターボシャフト
全長: 44.2 in (約112 cm)
直径: 23.5 in (約60 cm)
乾燥重量: 245 lb (約111 kg)

構成要素

圧縮機: 単段軸流式と単段遠心式を組み合わせた構成
燃焼器: アニュラー式燃焼室
タービン: 単段式パワータービン、2段式ガス発生器タービン

性能

出力: 681 shp (508 kW)
タービン入口温度: 840 ℃

参考文献

Gunston, Bill (1986). World Encyclopedia of Aero Engines. Wellingborough: Patrick Stephens. pp. 166

外部リンク

Turbomeca website

アリエルエンジンは、その革新的な設計と実績により、ヘリコプターの動力源として確固たる地位を築いています。今後も、航空技術の発展に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索