圧縮機

圧縮機とは

圧縮機は、流体を圧送するための機械であり、モーターの回転運動やピストンの往復運動を利用して気体や液体を圧縮します。一般的に「コンプレッサー」とも呼ばれ、流体機械の一種として分類されます。圧縮機の中でも、有効吐出し圧力が200 kPa以下のものは特に「ブロワ」として知られています。

圧縮機の概要

圧縮機は、基本的に流体エネルギーを機械エネルギーに変換する役割を担っています。主な用途は、低圧から高圧へと流体を送り出すことにあります。圧縮機の種類には、送風機や真空ポンプ、排風機などがあり、意図する圧力比に応じて区別されます。

圧縮機の設計で考慮しなければならない要素の一つは、気体の圧縮性です。気体が持つ圧力と熱は機械の各部に強い応力を与え、圧力比が大きくなればなるほど必要な動力も増加します。また、流量は質量流量または体積流量で表され、特にノルマル立方メートル（Nm3）という特殊な単位に注意が必要です。

各種圧縮機

圧縮機のタイプにはさまざまな種類があります。以下に主要なタイプを紹介します。

ターボ圧縮機

運動エネルギーを利用して気体に圧力を与える圧縮機で、大規模な用途に向いています。遠心式圧縮機や軸流式圧縮機が含まれ、主に冷凍機やガスタービンエンジンで使用されます。

遠心式圧縮機

気体を外周部に吐き出す方式で、高い圧縮比を一段で得ることが正確で、小型化に適していますが、多段構造にすると効率が下がる可能性があります。

軸流式圧縮機

軸方向から吸い込み、気体を同じ軸方向に加圧します。多段構成が効率に優れ、ガスタービンエンジンに広く使われています。

容積圧縮機

ピストンの往復運動を使用して容積を変え、気体を圧縮します。特にレシプロ圧縮機などは高圧を得るために多段化されやすいですが、流量の不均衡が出ることがあります。

ダイアフラム式圧縮機

ピストンの代わりにダイアフラムを使って圧縮を行います。特に、高圧や危険なガスの取り扱いに適しています。

スクリュー圧縮機

2つのスクリューを使用して圧縮するタイプで、振動が少ないことが特徴であり、無給油で運転可能なモデルも登場しています。

圧縮機の選定とメンテナンス

圧縮機の選定では、目的に応じたタイプの選択が重要です。また、タンク内部の水分を定期的に排出するメンテナンスが必要で、これにより効率状態が維持されます。特に、製造業界や自動車、冷凍設備に欠かせない機器となっています。

主なメーカー

アトラスコプコやIHI、日立、三菱重工業など、多くのメーカーが高品質な圧縮機を提供しています。それぞれの会社は、特定の分野に特化した製品を展開しており、ニーズに応じた選択が可能です。圧縮機は、技術の進化に伴ってより効率的で環境に優しい製品が求められる時代になっています。

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