チュルボメカ テュルモ

テュルモ エンジン：フランス生まれの信頼される動力源

テュルモ（Turmo）は、フランスのチュルボメカ社（現ロールス・ロイス）が開発したターボシャフトエンジンです。ヘリコプター用エンジンとして開発されましたが、その優れた性能から、さまざまな航空機に搭載されています。初期の設計は、同じチュルボメカ社のアルトウステエンジンをベースとしており、改良を重ねることで、後期型では約1,200 kW（1,610 shp）もの出力を発揮します。

ターボプロップ型も開発

テュルモは、ヘリコプター用だけでなく、固定翼機用のターボプロップエンジンとしても開発されました。特に、短距離離着陸機（STOL機）であるブレゲー941での使用を想定して開発されたモデルは、その高い信頼性と出力により、機体の性能向上に大きく貢献しました。

国際的な展開

テュルモは、その優れた性能と実績から、国際的にも広く採用されています。現在では、ロールス・ロイス・ホールディングスとの共同生産が行われているほか、中国の常州市のランシャン製作所ではWZ-6として、ルーマニアのチュルボメカブカレストではチュルモ IV-CAとして、それぞれライセンス生産されています。

多彩な派生型

テュルモには、さまざまな派生型が存在します。以下に代表的なものをいくつかご紹介します。

テュルモ IIIC: 初期のモデルで、シュペルフルロンの試作機に搭載されました。出力は894.84 kW (1,200 hp)です。
テュルモ IIIC2: 最大969.41 kW (1,300 hp)の出力を発揮します。
テュルモ IIIC3: 回転数33,500 rpmにおいて1,118.55 kW (1,500 hp)の出力を誇り、シュペルフルロンに搭載されました。
テュルモ IIID: ブレゲー942に搭載が提案されたモデルで、913.48 kW (1,225 hp)の出力を持ちます。
テュルモ IIID2: 回転数22,460rpmにおいて995.51 kW (1,335 hp)を発揮します。
テュルモ IIID3: 回転数33,500rpmにおいて1,081.26 kW (1,450 hp)の出力です。
テュルモ IV-CA: ルーマニアでライセンス生産されたモデルです。
テュルモ VI: 2段の遠心圧縮段、1段の軸流圧縮段、2段の自由パワータービンを備えたターボプロップ型で、回転数32,000rpmにおいて1,342.26 kW (1,800 hp)の出力を発揮します。
WZ-6: 中国でライセンス生産されているモデルです。

主な搭載機

テュルモエンジンは、以下の航空機に搭載されています。

ピューマ
シュペル・フルロン
アエロスパシアル スーパーピューマ
ブレゲー 940
ブレゲー 941
ブレゲー 941S

テュルモ IIIC7の仕様

以下に、テュルモ IIIC7の主な仕様を示します。

形式: ターボシャフト
全長: 不明
直径: 71.6cm（28.2in）
乾燥重量: 325kg（716lb）
圧縮機: 1段軸流・2段軸流圧縮機
燃焼器: アニュラー型
タービン: 2段
出力: 1,217kW（1,632shp）
全圧縮比: 5.9:1
空気流量: 6.2kg/s（13.7lb/sec）
出力重量比: 3.74kW/kg（2.28shp/lb）

テュルモエンジンは、その長年の実績と信頼性により、現在でも多くの航空機で活躍しています。今後も、航空技術の発展とともに、さらなる進化を遂げていくことが期待されます。

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