チュルボメカ パラス

パラス（Palas）は、1950年代にフランスのチュルボメカで設計された小型の遠心圧縮式ターボジェットエンジンです。後にイギリスのブラックバーン・エアクラフトやアメリカのコンチネンタル・モータースでライセンス生産され、世界中で利用されました。

設計と特徴
パラスは、小型機での使用を想定して設計されたため、コンパクトなサイズと軽量化が重視されました。単段遠心式圧縮機、アンニュラー型燃焼器、単段式タービンというシンプルな構成を採用しており、メンテナンス性にも優れていました。燃料は一般的なジェット燃料であるJet A1を使用します。

搭載機
パラスは、そのコンパクトさと比較的高い推力重量比から、様々な小型機に搭載されました。代表的な搭載機としては、以下のものが挙げられます。

ショート シェルパ
フーガ マジステール
マイルズ スパロージェット
SIPA S-200
カプロニ トレント F.5

これらの機体は、練習機、実験機、またはモーターグライダーとして使用され、パラスの性能を実証しました。

仕様
パラスの主な仕様は以下の通りです。

形式: ターボジェットエンジン
全長: 1.2 m
直径: 405 mm
乾燥重量: 72 kg
圧縮機: 単段遠心式
燃焼器: アンニュラー型、回転燃料噴射
タービン: 単段式、24または25枚のブレード
使用燃料: Jet A1
推力: 1.6 kN
全圧縮比: 3.95:1
空気流量: 3.2 kg/秒
タービン入口温度: 700℃
燃料流量: 0.117 kg/N/時
推力重量比: 22.2 N/kg

これらの仕様から、パラスが小型ながらも効率的なエンジンであることがわかります。

外部リンク

Palas at Minijets.org

パラスは、小型ジェットエンジンの黎明期における重要なエンジンの一つであり、その設計思想は後のエンジン開発に大きな影響を与えました。

もう一度検索