ツァグヴリ

ジョージアの古都、ツァグヴリ：歴史と文化が息づく村落

ツァグヴリ（グルジア語: წაღვლი）は、ジョージアのシダ・カルトリ州ハシュリ地区に位置する、歴史ある村落です。ツァグヴリ・テミの中心地であり、ロパニスツカリ川（西プロネ川の右支流）の谷間に位置し、海抜880メートルにあります。ハシュリからは北北東へ約30キロメートルです。

歴史

ツァグヴリは、カルトリ地方において最も古い歴史を持つ村の一つです。村にはジョージア西部へと続く道が通っており、古来より「サイメルロの道」と呼ばれていました。この道はクヴェナツコツァの谷を起点とし、アビシ村からクルディスツカロ村を経由してチョルチャナ村のチェラツヘヴィ川を通り、コルボウリ、サチヘレ、チアトゥラ、ゲラティ村、クタイシへと続いています。この道を保護するため、古代にはツァグヴリスタヴィの四塔城塞が築かれました。城塞はバグラト4世によって再建されましたが、建設に関する詳細は不明です。

城塞は平たい石と石灰モルタルで作られ、4つの塔を備えていましたが、1930年代に解体され、道路の舗装や住民の家屋建設に使用されました。現在では、セメントで固められた部分と石灰の残骸が残るのみとなっています。17世紀から18世紀にかけて再興が試みられましたが、実現には至りませんでした。

ツァグヴリに関する歴史的な記録は少なく、歴史書『カルトリの生涯』に初めてその名が登場します。同書によれば、ギオルギ2世が息子のダヴィド2世に王権を譲り、ダヴィド2世はツァグヴリ村のツァグヴリスタヴィ城塞を夏の住居として利用しました。ツァグヴリスタヴィの村と城塞は、現在のツァグヴリ村の西に位置し、地元の人々は今でも「ガラヴネビ」（城壁の意）と呼んでいます。

1976年、アレクサンドレ・ラミシヴィリ準博士率いる研究チームがツァグヴリ村で考古学的発掘調査を実施し、石器時代や青銅器時代の遺物を多数発見しました。これらの遺物は、ハシュリ地方伝承博物館に保存されています。

考古学的な遺跡のほか、聖堂の遺構や封建時代の集落跡も残されています。村には約30の考古学的な集落があり、レゾス・ミツァ、クヴィララ・カリ、ゴロコなどがその例です。封建時代の集落としては、クヴィニカゼエビス・コレ、オサナジス・アホなどが挙げられます。バルバツィ門、チョチコリの門、聖ニコロズ聖堂の遺構は、1930年代に破壊されましたが、その後、ギオルギ・ミケラシヴィリとスヴィモン・ミケラシヴィリの兄弟により聖ニコロズ聖堂が再建され、シモン・カパナゼによりスヴィモン・メスヴェティ記念聖堂が建設されました。

ツァグヴリ・テミ

ツァグヴリは、ツァグヴリ・テミと呼ばれる共同体の中心地です。ツァグヴリ・テミは、以下の8つの村で構成されています。

ツァグヴリ
ゼモ・ブロロサニ
クルディスツカロ
ティツヴィニスツカロ
クヴェモ・ブロロサニ
コビ
チョルチャナ
ツェグヴェリ


ツァグヴリは、その長い歴史の中で、様々な変遷を経験してきました。古代からの道を守る要塞が築かれ、王族の避暑地となり、考古学的な発見がなされるなど、多くの物語がこの地に刻まれています。現在も、その歴史と文化を大切に守りながら、共同体として発展を続けています。

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