ツィンマーヴァルト運動

ツィンマーヴァルト運動

ツィンマーヴァルト運動は、第一次世界大戦の真っただ中に位置する国際的な反戦運動で、社会主義者の中でも少数派のグループによって推進されました。この運動は、1915年から始まり、戦争の影響を受ける多くの国からの活動家たちを結集しました。その名称は、1915年9月にスイスのツィンマーヴァルトで開催された会議に由来しています。

概要

1914年8月、第二インターナショナルの主流派は自国政府の戦争政策を支持する「城内平和」の政策を掲げました。この結果、かつての反戦を掲げたインターナショナルは分裂を余儀なくされました。これに対抗する形で、ツィンマーヴァルト村で中立国の社会主義者たちが集まり、国際連帯の精神を再確認する会議が開かれました。この運動は、その後の1916年4月にスイスのキーンタール、さらに1917年9月にストックホルムでの会議へと続いていきました。

ツィンマーヴァルト会議

ツィンマーヴァルト会議は1915年9月5日から8日まで開催され、計38名の代表が参加しました。参加者は、ロシアのレーニンやトロツキー、ドイツのレーデブーアなど、様々な国から集まりました。しかし、反戦的な立場で投獄されたルクセンブルクや、徴兵されたリープクネヒトは会議に参加できませんでした。この会議では、主に左派の立場から「革命的祖国敗北主義」を主張する議論が展開されたものの、幅広い支持を得るには至りませんでした。

最終的に、会議は第二インターナショナルの反戦宣言を基盤に、「城内平和」への反対と無併合・無賠償の講和を提唱する「ツィンマーヴァルト宣言」を採択しました。そして、運動の事務局として「国際社会主義平和委員会」が選出されたのです。

キーンタール会議

次に開催されたキーンタール会議は、1916年4月24日から29日まで行われ、約40名の参加者が集まりました。この会議では、左派の参加者が12名と増加し、運動における彼らの影響力も高まりましたが、第二インターナショナルとの訣別という方針には十分な支持を得られませんでした。

ストックホルム会議

1917年9月、スウェーデンのストックホルムにて開催されたこの会議では、さらなる国際的な反戦の結束が試みられました。会議は多くの反戦活動家が集まり、戦争に対する抗議の声を強める瞬間となりましたが、最終的にはレーニンを中心とするツィンマーヴァルト左派が力を持つようになり、この運動は1919年3月にコミンテルン（第三インターナショナル）に統合される形で解散しました。

結論

ツィンマーヴァルト運動は、第一次世界大戦中の戦争に対する社会主義者たちの重要な取り組みであり、国際的な反戦運動の基盤となった活動の一つです。最終的にはコミンテルンに引き継がれることとなりますが、その過程で多くの社会主義者たちが集まり、反戦の理念を巡る議論を深めたことは、後の政治運動や国際的な反戦運動においても重要な影響を与えました。

もう一度検索