ツェツァ

ツェツァ（Светлана Ражнатовић / Svetlana Ražnatović）

スヴェトラナ・ラジュナトヴィッチ（旧姓ヴェリチュコヴィッチ）、通称ツェツァは、1973年6月14日にセルビアのジトラジャで生まれた、バルカン半島を代表する歌手の一人です。彼女は、その音楽性、カリスマ性、そして波乱万丈な人生で、多くのファンを魅了してきました。

音楽キャリア

ツェツァは9歳で歌い始め、14歳でプロデビューを果たしました。初期はセルビアの民俗音楽をベースにした音楽を歌っていましたが、次第にターボ・フォーク（ポップ・フォーク）と呼ばれる、よりモダンな要素を取り入れたジャンルへと発展させていきました。彼女の音楽は、東ヨーロッパ、ラテン、中近東などの音楽の要素を織り交ぜた独特なスタイルで、バルカン半島内外で幅広い支持を集めています。

大ヒットと成功

1990年にリリースした3枚目のアルバム『To Miki to』は、ユーゴスラビア全域で35万枚を売り上げる大ヒットとなりました。その後も、『Sta je to u tvojim venama/Kukavica』（1993年）、『Fatalna ljubav』（1995年）などのアルバムをリリースし、人気を不動のものとしました。特に1997年のアルバム『Maskarada』に収録された『Nevaljala』は、セルビアで17週連続1位という記録を打ち立て、彼女の代表曲の一つとなっています。

「バルカンの女王」

ツェツァは、精力的にアルバムをリリースし、コンサート活動も積極的に行っています。彼女のアルバムは、主にバルカン諸国を中心にトータル1000万枚以上を売り上げ、その功績から「バルカンの女王」と呼ばれるようになりました。

コンサート活動

ツェツァは、国内外で数多くのコンサートを行っています。特に、2002年にベオグラードのレッドスター・スタジアムで開催されたコンサートでは、約10万人の観客を動員しました。また、2006年にはベオグラードのウシュチェで15万人を動員する大規模なコンサートを開催するなど、その人気は衰えることを知りません。

私生活と論争

ツェツァの私生活は、常にメディアの注目を集めてきました。1995年に、武装民兵組織のリーダーであるアルカンことジェリコ・ラジュナトヴィッチと結婚しましたが、2000年にアルカンが暗殺され、彼女は2人の子供を抱える未亡人となりました。

アルカンの死後、ツェツァは、マフィア組織への支援や武器の不法所持などの容疑で逮捕・拘束されましたが、後に全ての容疑は晴れています。また、彼女のクロアチアやボスニア・ヘルツェゴビナでの人気は、論争の的となることもあります。しかし、彼女は「全てのファンを愛しているし、歓迎している」と語っています。

その他の活動

ツェツァは、歌手活動以外にも、映画出演やサッカークラブのオーナー、チャリティー活動など、多岐にわたる活動を行っています。彼女は、セルビアの出生率向上を支援する人道主義基金「第3の子」の代表を務めています。

ディスコグラフィー

Cvetak Zanovetak (1988)
Ludo srce (1989)
To Miki (1990)
Babaroga (1991)
Šta je to u tvojim venama (1993)
Ja još spavam u tvojoj majici (1994)
Fatalna ljubav (1995)
Emotivna luda (1996)
Maskarada (1997)
Ceca 2000 (1999)
Decenija (2001)
Gore od ljubavi (2004)
London MIX (2005)
Idealno loša (2006)

ツェツァは、その才能と努力によって、バルカン半島を代表する歌手としての地位を確立しました。彼女の音楽は、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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