ポップ・フォーク

ポップ・フォークとは

ポップ・フォークは、ポップ・ミュージックとフォーク・ミュージック、双方の要素を併せ持つ音楽ジャンルです。このジャンルは、その多様な表現方法から、大きく二つの流れに分類することができます。

欧米におけるポップ・フォーク

一つ目は、欧米の音楽シーンで発展した、ポップな要素を取り入れたフォーク音楽です。この流れを代表するアーティストとしては、バフィー・セント・メリー、PPM（ピーター・ポール&マリー）、キングストン・トリオ、サイモン&ガーファンクル、ママス&パパスなどが挙げられます。彼らの音楽は、フォークの持つ素朴な温かさに、ポップスのキャッチーさや親しみやすさを加えた点が特徴です。アコースティックギターを中心としたシンプルな構成で、美しいメロディーとハーモニーを奏でるスタイルが多くの人々を魅了しました。

バルカン半島におけるポップ・フォーク

二つ目は、バルカン半島地域において独自に発展したポップ・フォークです。この地域では、オリエントやロマの音楽のリズムを基盤とし、そこにポップス、フォーク、エスノ、ダンスミュージックの要素を融合させた音楽が生まれました。この音楽は、国境を越えて広がりを見せていますが、それぞれの国で自国の文化や歌手としての独自色が強く、多様な形態が存在します。このジャンルは、ブルガリアでは「チャルガ」、旧ユーゴスラビア諸国では「ターボ・フォーク」、ルーマニアでは「マネーレ」、ギリシャでは「ライカ」と呼ばれています。

さらに、トルコのアラベスク・ポップもポップ・フォークの一種とみなされることがあります。これらの音楽は、バルカン半島内外に住む人々から広く支持されており、多くの曲がカバーされ、互いに翻訳されています。

ポップ・フォークの多様な展開

ポップ・フォークは、その多様性から、他のジャンルとの境界線も曖昧な部分があります。例えば、ポーランドのディスコ・ポロ、ルーマニアのエスノ・ポップやカルパチアン・スカ（ウクライナ、スロヴァキア、ハンガリー、ドイツなど）も、ポップ・フォークと類似した要素を持つ音楽ジャンルと言えます。

また、ギリシャのライカは、ポップスとの融合が進み、エレーナ・パパリズーやデスピナ・ヴァンディなどの代表的な歌手は、メインストリームのポップミュージックとして広く認知されています。

主なアーティスト

欧米

サイモン&ガーファンクル
バフィー・セント・メリー
ママス・アンド・パパス

バルカン、東欧

ブルガリア
アジス
アニ・ホアンク
アリシア
アネリア
アンドレア
イヴァナ
ヴェセラ
ヴェロニカ
エクストラ・ニーナ
エシル・デュラン
エマヌエラ
エミリア
オルケスタル・クリスタル
ジーナ・ストエヴァ
カメリア
カリ
ガリナ
クルム
グロリア
コンスタンティン
コンデョー
ゲルガナ
ツヴェテリーナ
テオドラ
デシ・スラヴァ
スラヴィ・トリフォノフ
ソーニャ・ネムスカ
ソフィ・マリノヴァ
プレスラヴァ
ターニャ・ボエヴァ
マリーナ
マリア
ライナ
レイハン
レニ
ヤニカ
ツベテリナ・ヤネバ

セルビア
アナ・ベクタ
アナ・ラジェン
イェレナ・カルレウシャ
イェレナ・ムルキッチ
ヴィキ・ミリコヴィッチ
ジョガニ
ストヤ
ゾリツァ・ブルンツリク
ターニャ・サヴィッチ
ダーラ・ブバマラ
ツインズ
ツェツァ
ドラガナ・ミルコヴィッチ
ミリツァ・トドロヴィッチ
ヤナ

ボスニア・ヘルツェゴビナ
アイセラ
インディラ・ラディッチ
セカ・アレクシッチ
セルマ・バイラミ
レパ・ブレナ

モンテネグロ
ゴガ・セクリッチ
サーニャ・ジョルジェヴィッチ

スロベニア
アトミック・ハルモニク
ウェルネル・ブロゾヴィッチ
サシャ・レンデロ
スケーター
ターボ・エンジェルス
レベカ・ドレメリ

北マケドニア
シュパト・カサピ

コソボ
アデリーナ・イスマイリ
エドナ・ラロシ
ゲンタ・イスマイリ
ノラ・イストレフィ
レオノラ・ヤクピ

アルバニア
ソニ・マライ
ブレオナ・チェレティ
ロリ

ルーマニア
アドリアン・ミヌーネ
ヴァリ・ヴィイェリエ
カルメン・シェルバン
コスティ・ヨニッツァ
ニコラエ・グッツァ
フローリン・サラーム

ギリシャ
アナ・ヴィッシ
アントニス・レモス
アンティーク
イリーニ・メルクリ
エフィ・ソディ
エリ・コッキヌー
エレフセリア・アルヴァニターキ
グリケリア
ケイティ・ガルビー
ケリー・ケレキドゥ
サキス・ルーヴァス
ソティス・ヴォラニス
デスピナ・ヴァンディ
デミス・ルソス
ペギー・ジーナ
ペトロス・ガイタノス
ヨルゴス・マゾナキス

トルコ
タルカン
イブラヒム・タトルセス
イゼル
エブル・ギュンデシュ
ギュルシェン
シベル・ジャン
ジャンダン・エルチェティン
セダ・サヤン
セルダル・オルタチ
ベンギュ