ツギ

囲碁における「ツギ」について

囲碁における「ツギ」とは、すでに盤上に置かれている自分の石が、相手の石によって分断されないように連結する手のことを指します。別名「ツナギ」とも呼ばれます。囲碁では、石が分断されると相手からの攻撃を受けやすくなり、不利な状況に陥ることが多いため、「ツギ」は非常に重要な基本技術となります。ここでは、様々な「ツギ」の種類と、その具体的な打ち方について解説します。

「ツギ」の基本

例えば、黒石が既に盤上に置かれている状態で、その黒石が白石によって分断されそうな状況を考えます。この時、黒石が分断されないように、黒石同士を繋げる手が「ツギ」です。これにより、黒石は安全に連結され、相手の攻撃を防ぐことができます。

「ツギ」の種類

「ツギ」には様々な種類があり、それぞれの状況に応じて使い分けることが重要です。以下に代表的な「ツギ」の種類を説明します。

カタツギ

カタツギは、斜めに並んだ石の断点を直接繋ぐ、最も基本的な「ツギ」です。例えば、右図のように、斜めに並んだ黒石の断点に、直接黒石を置くことで、黒石同士をしっかりと連結させます。カタツギは、働きはやや乏しいものの、非常に堅実な「ツギ」方と言えるでしょう。

また、一直線に石を繋ぐカタツギを「棒ツギ」と呼ぶこともあります。

カケツギ

カケツギは、直接石を繋ぐのではなく、間接的に石を繋ぐ「ツギ」です。例えば、黒石が置かれている点から少し離れた場所に黒石を置くことで、相手が黒石を分断することを防ぎます。カタツギよりも働きが大きく、より効果的な「ツギ」方と言えるでしょう。ただし、相手に隙を与えてしまう可能性もあるため、状況に応じて使い分ける必要があります。

ケイマツギ

ケイマツギは、碁盤のマス目に対して、桂馬が動くように石を置く「ツギ」です。この「ツギ」は、直接的な連結だけでなく、相手の攻撃を防ぎながら、自分の石を効率的に展開させることができます。非常に働きが大きく、実戦でも頻繁に使われる「ツギ」方です。

タケフ

タケフは、石が竹の節のように見える形になる「ツギ」です。この形は、一見すると、複数の断点があるように見えますが、実際には、相手がどの断点を攻撃しても、別の断点を繋ぐことで、全体として石を繋げることができます。タケフは、相手に複数の選択肢を迫ることで、有利な状況を作り出すことができます。また、中央への進出を容易にする効果もあります。

カネツギ

カネツギは、複数の「ツギ」の効果を一手で実現する「ツギ」です。例えば、黒石がハネてきた時に、通常は、それぞれのハネに対して別々に「ツギ」を打つ必要がありますが、カネツギでは、一手で複数のハネに対して対応することができます。このため、相手に有利な展開をさせないだけでなく、自分の手数を温存することもできます。より高度な技術と言えるでしょう。

実践での応用

「ツギ」は、囲碁の基本的な技術ですが、その種類や状況に応じた使い分けを理解することで、より高度な戦略を立てることが可能になります。「ツギ」を効果的に使うことで、自分の石を安全に守りながら、相手の石を攻撃することができます。実戦で「ツギ」を意識して打つことで、着実に棋力アップに繋がるでしょう。

まとめ

「ツギ」は、囲碁において非常に重要な技術であり、その種類や使い方を理解することで、実戦での応用力を高めることができます。この記事が、あなたの囲碁の理解を深める一助となれば幸いです。

参考図書
* 春山勇『切りとツギ (烏鷺うろブックス) 』

もう一度検索