ツチダンゴ

ツチダンゴについて

ツチダンゴ（Elaphomyces granulatus）は、子嚢菌門ユーロチウム目ツチダンゴ科に分類される地中生のキノコです。一般的には「土団子」という名でも知られ、特に北半球の温帯地域に見られる特異な生態を持つ生物です。

形態

ツチダンゴは、ほぼ球状の形をしており、その直径は約15mm程度です。表面は赤褐色または黄褐色で、いぼ状の隆起があり、ざらざらとした触感をしています。内部構造は、厚い外皮で包まれており、暗緑褐色または暗褐色（コーヒー色）の胞子塊が観察できます。子嚢は丸みを帯びた嚢状で、多くの子嚢菌が持っている特殊な胞子射出構造はありません。そのため、成熟した胞子は細胞壁が溶けて失われるという特性を持っています。胞子自体は厚い壁を持ち、ほぼ球形で暗褐色から黒色に近い色合いを呈しています。

生態

ツチダンゴは、主にマツ科の樹木の細根に外生菌根を形成し、共生関係を築いています。この共生関係により、樹木は栄養を得る一方で、ツチダンゴも必要な栄養を樹木から得ることで成長しています。また、ツチダンゴは時折、子嚢菌門のオフィオコルディケプス科に属する虫草菌に寄生されることがあります。この寄生関係は、タンポタケやハナヤスリタケなどの菌に見られます。

分布

ツチダンゴは、主に北半球の温帯以北に分布しています。特にマツ科の樹木が多く見られる地域に多く見受けられますが、日本国内では発見例はあまり多くありません。これは、子実体が地中で形成され、多くの場合人間の目に触れることがないため、見逃されている可能性が高いと考えられています。

人間との関わり

ツチダンゴは無毒ですが、非常に小さいために採集が難しく、食用としての価値はほとんどありません。それでも、樹木の成長を促進する働きがあることから、造林業などの分野では間接的に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。ツチダンゴの存在は、森林生態系の健康に寄与していると考えられており、その相互作用は生態系の一部として重要です。

参考文献

この内容に関する詳細な情報は、以下の書籍から得ることができます。

• - 大谷吉雄・伊藤誠哉. (1988). 『日本菌類誌第3巻 子のう菌類 第2号ホネタケ目・ユーロチウム目・ハチノスカビ目・ミクロアスクス目・オフィオストマキン目・ツチダンゴ科・ウドンコキン目』. 養賢堂.

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