ツマヌダ格闘街

『ツマヌダ格闘街』のあらすじと詳細解説

『ツマヌダ格闘街』（ツマヌダファイトタウン）は、上山道郎による日本の格闘[[漫画]]です。この物語の舞台は、ストリートファイトが地域振興策として制度化された架空の街、妻沼田市。主人公の八重樫ミツルは、ひょんなことからこの街にやってきて、メイド姿の謎の女性ドラエと出会います。

物語の概要

ミツルはイラストレーターを目指して上京してきたばかりの19歳。運動経験はほとんどなく、格闘技とは無縁の生活を送っていました。しかし、妻沼田市では街全体が格闘技を盛り上げており、登録選手であれば街中でストリートファイトをすることが合法とされています。ドラエはミツルの素質を見抜き、彼を選手として登録させ、独自の指導を通して格闘家としての才能を開花させていきます。

この作品の特徴は、ドラエが語る人体の仕組みに基づいた理論的な動きや、伝統武術に根差した技が詳細に解説されている点です。また、対戦相手も純粋な格闘家だけでなく、個性的なキャラクターが多く登場し、物語を盛り上げます。ストリートファイトでありながら、ルールが存在し、試合の舞台は街中という設定もユニークです。

連載の変遷

『ツマヌダ格闘街』は、2006年に少年画報社の漫画雑誌『ヤングキング』で連載を開始しました。その後、2009年に『ヤングキングアワーズ』へ、さらに2011年には『月刊ヤングキング』へと移籍し、2016年まで連載されました。連載誌の変更に伴い、掲載頻度も変化しましたが、常に読者を魅了する作品として人気を博しました。

主な登場人物

八重樫 ミツル（やえがし ミツル）: 本作の主人公。イラストレーター志望の19歳。ひ弱な見た目とは裏腹に、内には強い意志と正義感を持っています。ドラエの指導を受けながら、格闘家として成長していきます。
ドラエ・タチバナ＝ドリャーエフ: ミツルが妻沼田市で出会ったメイド。年齢不詳ですが、20歳ほどの外見。古流武術「明道流柔術」の達人で、ミツルの格闘技の師匠です。家事能力も高く、ミツルの生活をサポートします。
八重樫 ラミィ（やえがし ラミィ）: ミツルの義理の妹。18歳。兄を心配して鹿児島から上京し、ミツルやドラエと同居。チームの記録係を務め、試合ではマスコットガールとして活躍します。
ジロー・王（ジロー・わん）: 本名：王 次郎（おう じろう）。陳式太極拳の使い手で、ミツルのライバル的存在。美少年で、女性ファンが多い。物静かだが、太極拳には熱い情熱を秘めています。
クインシー・王（クインシー・わん）: ジローの姉でチーム監督。自身も太極拳の達人。大雑把な性格だが、面倒見が良く、チームを支えます。

その他の登場人物

チャーリー・カーペンター・八重樫: ミツルの継父で、ラミィの実父。文筆家。
八重樫 珠子: ミツルの実母で、ラミィの継母。編集者。
八重樫 虎江: ミツルの祖母で、ドラエの祖父、橘 明道の一人娘。
王 雛子: ジローの双子の姉。料理人を目指している。
王 英才: ジローたちの父で太極拳の達人。
王 芬綺: 台湾の王本家から来た大学生でジローの従姉妹。
アキミチ・タチバナ=ドリャーエフ/橘 明道: 亡きドラエの祖父。
王 樹才: ジローたちの祖父。
アナスタシア・ポコロフスカヤ: ドラエの双子の姉。
バウワン・アマンガム:アナスタシアのボディガード。
ミュウミュウ: アナスタシアのメイド。
イヴォン・ポコロフスキ:アナスタシアの弟。
リーナ・ポコロフスカヤ:アナスタシアの妹。
イワン・ポコロフスキ:アナスタシアの父。
エカテリーナ・ポコロフスカヤ:アナスタシアの母。
御名本 裕子: ツマヌダ格闘街運営委員会の専務理事。
御名本 柚香: 御名本裕子の娘。
御名本 弘志郎: 御名本裕子の父親で企業家。
中島 明日香: 御名本裕子の秘書。
羽鳥 賢蔵: 妻沼田市治安維持部隊監督責任者。
羽鳥 心: 妻沼田市治安維持部隊隊員で賢蔵の娘。
羽鳥 鈴女: 妻沼田市治安維持部隊隊員で心の従姉妹。
獅子尾 真理: 妻沼田市治安維持部隊隊員で心の従姉妹。
浦光 摩緒: 妻沼田市治安維持部隊作戦本部司令官。
チェ・ヒンメ: ツマヌダ格闘街の選手。
西崎 健: ツマヌダ格闘街の選手でイラストレーター。
風間 鋭士: ツマヌダ格闘街の選手。
風間 剛毅: ツマヌダ格闘街の選手。
パトリック・ディロン: ツマヌダ格闘街EXリーグの選手。
幸田武尊: ツマヌダ格闘街EXリーグの選手。
ロビー・ウラタム: ツマヌダ格闘街EXリーグの選手。
鷹羽 和義: ツマヌダ格闘街の選手。
朝倉 阿弥: 衛府流空手道創始者の孫娘で鷹羽の先輩。
朝倉 宝鈷: 阿弥の妹。
朝倉 藤十朗: 衛府流空手道師範。
カイン・ブルツ・トゥーラッド: ブルツネシア王国の第三王子。
ローズ・ナイト: カイン王子に仕える女従者。
カミーラ・クック: カイン王子に仕える女従者。
ヴィオレッタ・フォルテ: カイン王子に仕える女従者。
ミストラティマ・ブルツ・トゥーラッド: カインの妹でブルツネシア王国第2王女。
フランコ・ノルシュタイン:ミスティのボディガード。
トラキア・ナイト:ミスティのボディガード。
孫 安福:台湾人ビジネスマンで太極拳の達人。
春日野エリザ: 春日野家の令嬢でミツルの同級生。
新風イリヤ: 春日野家の執事。
新風 三太夫: イリヤの祖父で剣術の師匠。
二十市 衛門: ミツルの親戚の男子高校生。
問 雅: 衛門とつるんでいる女子高生。
五音 佑: 衛門とつるんでいる女子高生。
天之川 美月: 指宿のホテル社長の娘でエリザの従姉妹。
海星 伝馬: ミツルの同級生で映像作家。
九条 玉藻: 御名本家に仕えるメイド。
細山 香苗: ストリートファイトの実況者。
* 淀端 博士: 格闘技評論家。

ストリートファイトとルール

妻沼田市では、ストリートファイトは地域活性化のための制度として合法化されています。試合は街中の至る所で行われ、インターネットで配信されます。ルールは、噛み付き、サミング、金的攻撃、寝技、ダウンした相手への攻撃が禁止の立ち技系総合格闘技です。選手はオープンフィンガーグローブの着用が義務付けられています。ルーキーリーグでは、ヘッドギアなどの防具の着用が可能ですが、エキスパートリーグ以上では禁止されています。

妻沼田市とリーグ

妻沼田市は、千葉県北西部の東京湾に面した架空の都市で、「格闘特区」として知られています。選手向けの賃貸物件には補助金が出ており、格闘家が生活しやすい環境が整っています。リーグは、アマチュアのルーキーリーグ、プロのエキスパートリーグ、そしてトップ選手のチャンピオンズリーグの3つに分かれています。各リーグの選手は、独自のルールと階級の中で、互いに技を競い合います。

明道流柔術

作中に登場する架空の武術で、ドラエが亡き祖父から教わったものです。帯刀を許されない現代社会において「柔術」と名乗っていますが、その根底には剣術の技術が含まれています。明道流柔術は、体力よりも技術を優先する技法であり、投げ技や極め技を中心に構成されています。ドラエは、この武術をミツルに継承させようとしています。

ブルツネシア王国

作中に登場する架空の東南アジアの王制国家。石油輸出で潤っており、国民は税金が免除され、医療費や教育費も無料です。カイン王子が留学のために日本に滞在し、ツマヌダでストリートファイターとして活躍しています。

書誌情報

『ツマヌダ格闘街』は、少年画報社から「ヤングキングコミックス」として全20巻が刊行されています。単行本には、作者の描き下ろしペーパーが付いてくる書店もあり、ファンにとってはコレクターアイテムとなっています。

作品の魅力

『ツマヌダ格闘街』の魅力は、格闘技の知識が詳細に描かれている点や、個性的なキャラクターたちの織りなす人間ドラマです。主人公のミツルが、格闘技を通じて成長していく姿は、読者に勇気と感動を与えます。また、コミカルな日常描写や、迫力満点のバトルシーンも魅力の一つです。この作品は、格闘技ファンだけでなく、幅広い読者層に支持されています。

以上が、『ツマヌダ格闘街』の詳細な解説となります。この作品を通して、格闘技の魅力を感じていただければ幸いです。

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