上山道郎

上山道郎（うえやま みちろう）は、1970年5月14日生まれの日本の漫画家です。埼玉県出身で、実弟も同じく漫画家の上山徹郎です。彼の作風は、児童誌でSF要素を巧みに織り交ぜた作品に始まり、青年誌での連載へと展開しました。

デビューと初期の活動

上山道郎は、漫画家デビュー前に樫本学ヴのアシスタントを務めていました。1990年、『怪奇警察PSY-POLICE』で第27回小学館新人コミック大賞児童部門の佳作を受賞し、翌年同作でデビューしました。その後、『別冊コロコロコミック』にて読切版『怪奇警察サイポリス』を発表し、これらの作品をベースとした連載版が『月刊コロコロコミック』で1992年から1995年まで連載されました。

連載開始までの間には、『電脳探偵K-13』で第28回小学館新人コミック大賞にも入賞しています。

『機獣新世紀ZOIDS』と青年誌での活躍

『怪奇警察サイポリス』の連載終了後も、『月刊コロコロコミック』でいくつかの作品を発表し、1999年からはテレビアニメ『ゾイド -ZOIDS-』のメディアミックス作品である『機獣新世紀ZOIDS』を連載しました。この作品は2001年まで連載され、その後、上山道郎は自身のWebサイトで続編『機獣新世紀ZOIDS EX』を執筆しています。この続編は、あくまで個人的な活動であり、トミーや小学館とは関係のない作品です。

2006年からは、初の青年漫画作品となる『ツマヌダ格闘街』を『ヤングキング』で連載開始。2009年に『ヤングキングアワーズ』へ移籍し、2011年には『月刊ヤングキング』へ再移籍、2016年まで連載しました。その後、同誌で『怪奇警察サイポリス』の実質的な続編にあたる『オニヒメ』を2018年まで連載しています。

近年の活動と作風

2020年からは、『月刊ヤングキングアワーズGH』にて、同人漫画としてSNSで人気を博した『悪役令嬢転生おじさん』の連載を開始。この作品は2024年1月にアニメ化が決定し、上山道郎にとって純粋なオリジナル作品として初のアニメ化となります。

作風としては、児童誌で作品を発表していた頃からSF要素を多く取り入れ、ギャグ中心の作品は少なめでした。そのため、当時から年齢層の高い読者に支持される傾向がありました。また、1996年の『鉄鋼闘機ガイラ』以降は、パソコン（Macintosh）を導入し、アシスタントを起用せずに漫画制作を行っています。

『ツマヌダ格闘街』からは、自身で撮影した写真を加工して背景に使用し、『悪役令嬢転生おじさん』では、Blenderによる自作3DCGモデルや、Unreal Engineによるダンジョンを背景作画に使用するなど、デジタル技術を積極的に活用しています。

その他の活動と特徴

海道ワタル名義で成年誌に漫画作品を掲載したこともありますが、性的描写は一切ありません。これは長年児童誌で描いてきた経験によるものでしょう。また、自身のブログやpixivに「F絵」と称する藤子・F・不二雄風のパロディイラストを多数掲載しており、インターネット上で話題を集めています。2014年には、テレビアニメ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』の再放送版でエンドカードを担当した際にも、この藤子・F・不二雄風のイラストを提供しています。

主な作品リスト

連載作品
怪奇警察サイポリス
鉄鋼闘機ガイラ
スモール・ソルジャーズ
機獣新世紀ZOIDS
プラズマイザー電
鉄甲神剣ゴウジン
ツマヌダ格闘街
オニヒメ
エイジ'87
悪役令嬢転生おじさん

読み切り作品
怪奇警察PSY-POLICE
電脳探偵K-13
ジンボーグ
忍法学園SASUKE
憑鬼忍法帖 雷悟
死神

コミカライズ作品
激突!バーコードバトラー
忍者戦隊カクレンジャー
超力戦隊オーレンジャー
激走戦隊カーレンジャー
電磁戦隊メガレンジャー
仮面ライダークウガ
デュエル・マスターズ伝説 小さな勇者たち

書籍
怪奇警察サイポリス
鉄鋼闘機ガイラ
スモール・ソルジャーズ
機獣新世紀ZOIDS
鉄甲神剣ゴウジン
ツマヌダ格闘街
オニヒメ
エイジ'87
悪役令嬢転生おじさん

上山道郎は、児童漫画から青年漫画まで幅広いジャンルを手がけ、常に新しい技術を取り入れながら、独自の作風を確立している漫画家です。彼の今後の活躍にも注目が集まります。

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